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呪文や能力の対象にならない

Magicにおいて対象とは、カードに明確に「対象の○○」と書いてあるものだけを示します。(例外は個別エンチャントのみ)
「呪文や能力の対象にならない」とは、「対象のクリーチャに2点のダメージ を与える」といった呪文の対象にならないということであり、「すべてのクリーチャに2点のダメージを与える」といった対象を必要としない効果の影響は受けます。

個別エンチャントには「対象」という言葉がありませんが、呪文として唱えられるときにはエンチャントされる物を「対象」として取ります。 よって、通常の方法では「呪文や能力の対象にならない」クリーチャーに個別エンチャントを付けることはできません。

以下では「呪文や能力の対象にならない」クリーチャーとして《Pincher Beetles/はさみカブト虫(TE)》を例にします


Q.Pincher Beetles/はさみカブト虫(TE)》が「呪文や能力の対象にならない」ということは、《Wrath of God/神の怒り(6E)》や《Nevinyrral's Disk/ネビニラルの円盤(5E)》の影響を受けないということですか?

A. いいえ、違います。
上の説明にある通り、「呪文や能力の対象にならない」とは、明確に「対象の○○に××する」といった呪文/能力の対象にならないということであり、「すべてのクリーチャを破壊する」といった対象を必要としない効果の影響は受けます。 よって《Pincher Beetles/はさみカブト虫(TE)》は《Wrath of God/神の怒り(6E)》や《Nevinyrral's Disk/ネビニラルの円盤(5E)》の影響を受け、死んでしまいます。


Q. 《AEther Flash/上天の閃光(6E)》が場に出ているときに、《Pincher Beetles/はさみカブト虫(TE)》などの呪文や能力の対象にならないクリーチャを召喚したとき、ダメージを受けますか?

A. 《Pincher Beetles/はさみカブト虫(TE)》はダメージを受けて(通常は)破壊されます。
《AEther Flash/上天の閃光(6E)》のテキストには「そのクリーチャーに2点のダメージを与える」と書いてあり、対象の文字がありません。 つまり、この能力は対象を必要としない能力です。 よって、《Pincher Beetles》などの能力の対象にならないクリーチャも2ダメージを与えられることになります。


Q.Pincher Beetles/はさみカブト虫(TE)》のような「呪文や能力の対象にならない」クリーチャーが攻撃する場合、《Propaganda/プロパガンダ(TE)》のコストは支払う必要は無いんですよね。

A. いいえ、支払う必要があります。
繰り返しになりますが、《Propaganda/プロパガンダ(TE)》のカード・テキストには「対象」の文字がありません。 よって、《Pincher Beetles/はさみカブト虫(TE)》も《Propaganda/プロパガンダ(TE)》の影響を受けますので、攻撃する場合には(2)を支払う必要があります。


Q.Pincher Beetles/はさみカブト虫(TE)》のダメージを《Circle of Protection: Green/緑の防御円(6E)》で軽減することは可能ですか?

A. はい、可能です。
Circle of Protection: Green/緑の防御円(6E)》のカード・テキストを読めば判りますが、《Circle of Protection: Green》は発生源を対象に取りません。 よって《Circle of Protection: Green》の効果で、ダメージの発生源として《Pincher Beetles/はさみカブト虫(TE)》を指定することは可能です。


Q.Pincher Beetles/はさみカブト虫(TE)》にエンチャント(クリーチャ)を付けることは可能ですか?

A. トリックを使用すれば可能です。
個別エンチャントには「対象」という言葉がありませんが、呪文として唱えられるときにはエンチャントされる物を「対象」として取ります。 よって、呪文の対象にならない《Pincher Beetles/はさみカブト虫(TE)》を対象にしてエンチャント(クリーチャ)を唱えることはできません。
ところが、《Pincher Beetles》のテキストを良く読むと、「呪文や能力の対象にならない」とは書いてありますが、「エンチャントの対象にならない」とは書いてありません。 つまり呪文として唱える以外の方法でなら、エンチャント(クリーチャ)を《Pincher Beetles》に付けることは可能だということです。
この結果《Crown of the Ages/星霜の冠(5E)》を利用して《Pincher Beetles》の上にエンチャントを移動させることが可能になります。 《Crown of the Ages》のテキストを注意して読めば判りますが、《Crown of the Ages》はエンチャントを対象に取りますが、クリーチャを対象には取りません。 よって、このトリックが成立します。
その他にも、《Replenish/補充(UD)》、《Academy Rector/アカデミーの学長(UD)》の能力、《Enchantment Alteration/エンチャント移動(UZ)》、《Thieves' Auction/泥棒の競り(MM)》などでも、《Pincher Beetles》にエンチャントを付けることが可能です。

また、《Animate Dead/動く死体(5E)》なども《Pincher Beetles》にエンチャントすることが可能です(下の質問参照)。


Q.Pincher Beetles/はさみカブト虫(TE)》は《Counterspell/対抗呪文(6E)》などの打ち消し呪文の対象になりますか?

A. はい、なります。
一般に、パーマネントの効果は場にあるときにしか効果を発揮しません。 よって、場に出るまえには《Pincher Beetles/はさみカブト虫(TE)》を対象にすることは可能ですので、《Counterspell/対抗呪文(6E)》で打ち消すことは可能です。


Q. 墓地にいる《Pincher Beetles/はさみカブト虫(TE)》を対象に《Animate Dead/動く死体(5E)》を唱えることは可能ですか?

A. はい、可能です。
一般に、パーマネントの効果は場にあるときにしか効果を発揮しません。 よって、墓地にある《Pincher Beetles/はさみカブト虫(TE)》を対象に呪文を唱えることは可能です。


Q. では、墓地にいる《Pincher Beetles/はさみカブト虫(TE)》を《Animate Dead/動く死体(5E)》を場に出した後、そのまま場に残りますか? 《Animate Dead》の対象にならないので、すぐさま墓地に逆戻りですか?

A. いいえ、《Pincher Beetles/はさみカブト虫(TE)》は場に残ります。
上でも説明したように、《Pincher Beetles》はエンチャントの対象にはなります。 よって、場に出た後でも《Animate Dead/動く死体(5E)》の対象として適切ですから、《Animate Dead》が生け贄に捧げられることはありません。


「Target/対象」の欄も参照して下さい。