# この動物の愛護及び管理に関する法律の翻訳は平成17年法律第68号までの改正(平成18年6月1日施行)について「法令用語日英標準対訳辞書」(平成19年3月版)に準拠して作成したものです。なお、この法令の翻訳は公定訳ではありません。法的効力を有するのは日本語の法令自体であり、翻訳はあくまでその理解を助けるための参考資料です。この翻訳の利用に伴って発生した問題について、一切の責任を負いかねますので、法律上の問題に関しては、官報に掲載された日本語の法令を参照してください。 動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年十月一日法律第百五号)    第一章 総則 第一条 (目的)  この法律は、動物の虐待の防止、動物の適正な取扱いその他動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止することを目的とする。 第二条 (基本原則)  動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。 第三条 (普及啓発)  国及び地方公共団体は、動物の愛護と適正な飼養に関し、前条の趣旨にのつとり、相互に連携を図りつつ、学校、地域、家庭等における教育活動、広報活動等を通じて普及啓発を図るように努めなければならない。 第四条 (動物愛護週間) 1 ひろく国民の間に命あるものである動物の愛護と適正な飼養についての関心と理解を深めるようにするため、動物愛護週間を設ける。 2 動物愛護週間は、九月二十日から同月二十六日までとする。 3 国及び地方公共団体は、動物愛護週間には、その趣旨にふさわしい行事が実施されるように努めなければならない。    第二章 基本指針等 第五条 (基本指針) 1 環境大臣は、動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針(以下「基本指針」という。)を定めなければならない。 2 基本指針には、次の事項を定めるものとする。  一 動物の愛護及び管理に関する施策の推進に関する基本的な方向  二 次条第一項に規定する動物愛護管理推進計画の策定に関する基本的な事項  三 その他動物の愛護及び管理に関する施策の推進に関する重要事項 3 環境大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。 4 環境大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。 第六条 (動物愛護管理推進計画) 1 都道府県は、基本指針に即して、当該都道府県の区域における動物の愛護及び管理に関する施策を推進するための計画(以下「動物愛護管理推進計画」という。)を定めなければならない。 2 動物愛護管理推進計画には、次の事項を定めるものとする。  一 動物の愛護及び管理に関し実施すべき施策に関する基本的な方針  二 動物の適正な飼養及び保管を図るための施策に関する事項  三 動物の愛護及び管理に関する普及啓発に関する事項  四 動物の愛護及び管理に関する施策を実施するために必要な体制の整備(国、関係地方公共団体、民間団体等との連携の確保を含む。)に関する事項  五 その他動物の愛護及び管理に関する施策を推進するために必要な事項 3 都道府県は、動物愛護管理推進計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係市町村の意見を聴かなければならない。 4 都道府県は、動物愛護管理推進計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。    第三章 動物の適正な取扱い     第一節 総則 第七条 (動物の所有者又は占有者の責務等) 1 動物の所有者又は占有者は、命あるものである動物の所有者又は占有者としての責任を十分に自覚して、その動物をその種類、習性等に応じて適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。 2 動物の所有者又は占有者は、その所有し、又は占有する動物に起因する感染性の疾病について正しい知識を持ち、その予防のために必要な注意を払うように努めなければならない。 3 動物の所有者は、その所有する動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置として環境大臣が定めるものを講ずるように努めなければならない。 4 環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、動物の飼養及び保管に関しよるべき基準を定めることができる。 第八条 (動物販売業者の責務)  動物の販売を業として行う者は、当該販売に係る動物の購入者に対し、当該動物の適正な飼養又は保管の方法について、必要な説明を行い、理解させるように努めなければならない。 第九条 (地方公共団体の措置)  地方公共団体は、動物の健康及び安全を保持するとともに、動物が人に迷惑を及ぼすことのないようにするため、条例で定めるところにより、動物の飼養及び保管について、動物の所有者又は占有者に対する指導その他の必要な措置を講ずることができる。     第二節 動物取扱業の規制 第十条 (動物取扱業の登録) 1 動物(哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するものに限り、畜産農業に係るもの及び試験研究用又は生物学的製剤の製造の用その他政令で定める用途に供するために飼養し、又は保管しているものを除く。以下この節及び次節において同じ。)の取扱業(動物の販売(その取次ぎ又は代理を含む。次項において同じ。)、保管、貸出し、訓練、展示(動物との触れ合いの機会の提供を含む。次項において同じ。)その他政令で定める取扱いを業として行うことをいう。以下「動物取扱業」という。)を営もうとする者は、当該業を営もうとする事業所の所在地を管轄する都道府県知事(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)にあつては、その長とする。以下この節、第二十五条第一項及び第二項並びに第四節において同じ。)の登録を受けなければならない。 2 前項の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書に環境省令で定める書類を添えて、これを都道府県知事に提出しなければならない。  一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては代表者の氏名  二 事業所の名称及び所在地  三 事業所ごとに置かれる動物取扱責任者(第二十二条第一項に規定する者をいう。)の氏名  四 その営もうとする動物取扱業の種別(販売、保管、貸出し、訓練、展示又は前項の政令で定める取扱いの別をいう。以下この号において同じ。)並びにその種別に応じた業務の内容及び実施の方法  五 主として取り扱う動物の種類及び数  六 動物の飼養又は保管のための施設(以下この節において「飼養施設」という。)を設置しているときは、次に掲げる事項   イ 飼養施設の所在地   ロ 飼養施設の構造及び規模   ハ 飼養施設の管理の方法  七 その他環境省令で定める事項 第十一条 (登録の実施) 1 都道府県知事は、前条第二項の規定による登録の申請があつたときは、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除くほか、前条第二項第一号から第三号まで及び第五号に掲げる事項並びに登録年月日及び登録番号を動物取扱業者登録簿に登録しなければならない。 2 都道府県知事は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければならない。 第十二条 (登録の拒否) 1 都道府県知事は、第十条第一項の登録を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するとき、同条第二項の規定による登録の申請に係る同項第四号に掲げる事項が動物の健康及び安全の保持その他動物の適正な取扱いを確保するため必要なものとして環境省令で定める基準に適合していないと認めるとき、同項の規定による登録の申請に係る同項第六号ロ及びハに掲げる事項が環境省令で定める飼養施設の構造、規模及び管理に関する基準に適合していないと認めるとき、又は申請書若しくは添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。  一 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの  二 この法律又はこの法律に基づく処分に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者  三 第十九条第一項の規定により登録を取り消され、その処分のあつた日から二年を経過しない者  四 第十条第一項の登録を受けた者(以下「動物取扱業者」という。)で法人であるものが第十九条第一項の規定により登録を取り消された場合において、その処分のあつた日前三十日以内にその動物取扱業者の役員であつた者でその処分のあつた日から二年を経過しないもの  五 第十九条第一項の規定により業務の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者  六 法人であつて、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの 2 都道府県知事は、前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。 第十三条 (登録の更新) 1 第十条第一項の登録は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。 2 第十条第二項及び前二条の規定は、前項の更新について準用する。 3 第一項の更新の申請があつた場合において、同項の期間(以下この条において「登録の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の登録は、登録の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。 4 前項の場合において、登録の更新がされたときは、その登録の有効期間は、従前の登録の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。 第十四条 (変更の届出) 1 動物取扱業者は、第十条第二項第四号に掲げる事項を変更し、又は飼養施設を設置しようとする場合には、あらかじめ、環境省令で定める書類を添えて、同項第四号又は第六号に掲げる事項を都道府県知事に届け出なければならない。 2 動物取扱業者は、第十条第二項各号(第四号を除く。)に掲げる事項に変更(環境省令で定める軽微なものを除く。)があつた場合には、前項の場合を除き、その日から三十日以内に、環境省令で定める書類を添えて、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。 3 第十一条及び第十二条の規定は、前二項の規定による届出があつた場合に準用する。 第十五条 (動物取扱業者登録簿の閲覧)  都道府県知事は、動物取扱業者登録簿を一般の閲覧に供しなければならない。 第十六条 (廃業等の届出) 1 動物取扱業者が次の各号のいずれかに該当することとなつた場合においては、当該各号に定める者は、その日から三十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。  一 死亡した場合 その相続人  二 法人が合併により消滅した場合 その法人を代表する役員であつた者  三 法人が破産手続開始の決定により解散した場合 その破産管財人  四 法人が合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散した場合 その清算人  五 その登録に係る動物取扱業を廃止した場合 動物取扱業者であつた個人又は動物取扱業者であつた法人を代表する役員 2 動物取扱業者が前項各号のいずれかに該当するに至つたときは、動物取扱業者の登録は、その効力を失う。 第十七条 (登録の抹消)  都道府県知事は、第十三条第一項若しくは前条第二項の規定により登録がその効力を失つたとき、又は第十九条第一項の規定により登録を取り消したときは、当該動物取扱業者の登録を抹消しなければならない。 第十八条 (標識の掲示)  動物取扱業者は、環境省令で定めるところにより、その事業所ごとに、公衆の見やすい場所に、氏名又は名称、登録番号その他の環境省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。 第十九条 (登録の取消し等) 1 都道府県知事は、動物取扱業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は六月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。  一 不正の手段により動物取扱業者の登録を受けたとき。  二 その者が行う業務の内容及び実施の方法が第十二条第一項に規定する動物の健康及び安全の保持その他動物の適正な取扱いを確保するため必要なものとして環境省令で定める基準に適合しなくなつたとき。  三 飼養施設を設置している場合において、その者の飼養施設の構造、規模及び管理の方法が第十二条第一項に規定する飼養施設の構造、規模及び管理に関する基準に適合しなくなつたとき。  四 第十二条第一項第一号、第四号又は第六号のいずれかに該当することとなつたとき。  五 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこの法律に基づく処分に違反したとき。 2 第十二条第二項の規定は、前項の規定による処分をした場合に準用する。 第二十条 (環境省令への委任)  第十条から前条までに定めるもののほか、動物取扱業者の登録に関し必要な事項については、環境省令で定める。 第二十一条 (基準遵守義務) 1 動物取扱業者は、動物の健康及び安全を保持するとともに、生活環境の保全上の支障が生ずることを防止するため、その取り扱う動物の管理の方法等に関し環境省令で定める基準を遵守しなければならない。 2 都道府県又は指定都市は、動物の健康及び安全を保持するとともに、生活環境の保全上の支障が生ずることを防止するため、その自然的、社会的条件から判断して必要があると認めるときは、条例で、前項の基準に代えて動物取扱業者が遵守すべき基準を定めることができる。 第二十二条 (動物取扱責任者) 1 動物取扱業者は、事業所ごとに、環境省令で定めるところにより、当該事業所に係る業務を適正に実施するため、動物取扱責任者を選任しなければならない。 2 動物取扱責任者は、第十二条第一項第一号から第五号までに該当する者以外の者でなければならない。 3 動物取扱業者は、環境省令で定めるところにより、動物取扱責任者に動物取扱責任者研修(都道府県知事が行う動物取扱責任者の業務に必要な知識及び能力に関する研修をいう。)を受けさせなければならない。 第二十三条 (勧告及び命令) 1 都道府県知事は、動物取扱業者が第二十一条第一項又は第二項の基準を遵守していないと認めるときは、その者に対し、期限を定めて、その取り扱う動物の管理の方法等を改善すべきことを勧告することができる。 2 都道府県知事は、動物取扱業者が前条第三項の規定を遵守していないと認めるときは、その者に対し、期限を定めて、必要な措置をとるべきことを勧告することができる。 3 都道府県知事は、前二項の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、その者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。 第二十四条 (報告及び検査) 1 都道府県知事は、第十条から第十九条まで及び前三条の規定の施行に必要な限度において、動物取扱業者に対し、飼養施設の状況、その取り扱う動物の管理の方法その他必要な事項に関し報告を求め、又はその職員に、当該動物取扱業者の事業所その他関係のある場所に立ち入り、飼養施設その他の物件を検査させることができる。 2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。 3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。     第3節 周辺の生活環境の保全に係る措置 第二十五条 1 都道府県知事は、多数の動物の飼養又は保管に起因して周辺の生活環境が損なわれている事態として環境省令で定める事態が生じていると認めるときは、当該事態を生じさせている者に対し、期限を定めて、その事態を除去するために必要な措置をとるべきことを勧告することができる。 2 都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた者がその勧告に係る措置をとらなかつた場合において、特に必要があると認めるときは、その者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。 3 都道府県知事は、市町村(特別区を含む。)の長(指定都市の長を除く。)に対し、前二項の規定による勧告又は命令に関し、必要な協力を求めることができる。     第4節 動物による人の生命等に対する侵害を防止するための措置 第二十六条 (特定動物の飼養又は保管の許可) 1 人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれがある動物として政令で定める動物(以下「特定動物」という。)の飼養又は保管を行おうとする者は、環境省令で定めるところにより、特定動物の種類ごとに、特定動物の飼養又は保管のための施設(以下この節において「特定飼養施設」という。)の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、診療施設(獣医療法(平成四年法律第四十六号)第二条第二項に規定する診療施設をいう。)において獣医師が診療のために特定動物を飼養又は保管する場合その他の環境省令で定める場合は、この限りでない。 2 前項の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書に環境省令で定める書類を添えて、これを都道府県知事に提出しなければならない。  一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては代表者の氏名  二 特定動物の種類及び数  三 飼養又は保管の目的  四 特定飼養施設の所在地  五 特定飼養施設の構造及び規模  六 特定動物の飼養又は保管の方法  七 その他環境省令で定める事項 第二十七条 (許可の基準) 1 都道府県知事は、前条第一項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。  一 その申請に係る前条第二項第五号及び第六号に掲げる事項が、特定動物の性質に応じて環境省令で定める特定飼養施設の構造及び規模並びに特定動物の飼養又は保管の方法に関する基準に適合するものであること。  二 申請者が次のいずれにも該当しないこと。   イ この法律又はこの法律に基づく処分に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者   ロ 第二十九条第一項の規定により許可を取り消され、その処分のあつた日から二年を経過しない者   ハ 法人であつて、その役員のうちにイ又はロのいずれかに該当する者があるもの 2 都道府県知事は、前条第一項の許可をする場合において、特定動物による人の生命、身体又は財産に対する侵害の防止のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、その許可に条件を付することができる。 第二十八条 (変更の許可等) 1 第二十六条第一項の許可(この項の規定による許可を含む。)を受けた者(以下「特定動物飼養者」という。)は、同条第二項第二号又は第四号から第六号までに掲げる事項を変更しようとするときは、環境省令で定めるところにより都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、その変更が環境省令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。 2 前条の規定は、前項の許可について準用する。 3 特定動物飼養者は、第一項ただし書の環境省令で定める軽微な変更があつたとき、又は第二十六条第二項第一号若しくは第三号に掲げる事項その他環境省令で定める事項に変更があつたときは、その日から三十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。 第二十九条 (許可の取消し)  都道府県知事は、特定動物飼養者が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可を取り消すことができる。  一 不正の手段により特定動物飼養者の許可を受けたとき。  二 その者の特定飼養施設の構造及び規模並びに特定動物の飼養又は保管の方法が第二十七条第一項第一号に規定する基準に適合しなくなつたとき。  三 第二十七条第一項第二号ハに該当することとなつたとき。  四 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこの法律に基づく処分に違反したとき。 第三十条 (環境省令への委任)  第二十六条から前条までに定めるもののほか、特定動物の飼養又は保管の許可に関し必要な事項については、環境省令で定める。 第三十一条 (飼養又は保管の方法)  特定動物飼養者は、その許可に係る飼養又は保管をするには、当該特定動物に係る特定飼養施設の点検を定期的に行うこと、当該特定動物についてその許可を受けていることを明らかにすることその他の環境省令で定める方法によらなければならない。 第三十二条 (特定動物飼養者に対する措置命令等)  都道府県知事は、特定動物飼養者が前条の規定に違反し、又は第二十七条第二項(第二十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定により付された条件に違反した場合において、特定動物による人の生命、身体又は財産に対する侵害の防止のため必要があると認めるときは、当該特定動物に係る飼養又は保管の方法の改善その他の必要な措置をとるべきことを命ずることができる。 第三十三条 (報告及び検査) 1 都道府県知事は、第二十六条から第二十九条まで及び前二条の規定の施行に必要な限度において、特定動物飼養者に対し、特定飼養施設の状況、特定動物の飼養又は保管の方法その他必要な事項に関し報告を求め、又はその職員に、当該特定動物飼養者の特定飼養施設を設置する場所その他関係のある場所に立ち入り、特定飼養施設その他の物件を検査させることができる。 2 第二十四条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。     第五節 動物愛護担当職員 第三十四条 1 地方公共団体は、条例で定めるところにより、第二十四条第一項又は前条第一項の規定による立入検査その他の動物の愛護及び管理に関する事務を行わせるため、動物愛護管理員等の職名を有する職員(次項において「動物愛護担当職員」という。)を置くことができる。 2 動物愛護担当職員は、当該地方公共団体の職員であつて獣医師等動物の適正な飼養及び保管に関し専門的な知識を有するものをもつて充てる。    第四章 都道府県等の措置等 第三十五条 (犬及びねこの引取り) 1 都道府県等(都道府県及び指定都市、地方自治法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「中核市」という。)その他政令で定める市(特別区を含む。以下同じ。)をいう。以下同じ。)は、犬又はねこの引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。この場合において、都道府県知事等(都道府県等の長をいう。以下同じ。)は、その犬又はねこを引き取るべき場所を指定することができる。 2 前項の規定は、都道府県等が所有者の判明しない犬又はねこの引取りをその拾得者その他の者から求められた場合に準用する。 3 都道府県知事は、市町村(特別区を含む。)の長(指定都市、中核市及び第一項の政令で定める市の長を除く。)に対し、第一項(前項において準用する場合を含む。第五項及び第六項において同じ。)の規定による犬又はねこの引取りに関し、必要な協力を求めることができる。 4 都道府県知事等は、動物の愛護を目的とする団体その他の者に犬及びねこの引取りを委託することができる。 5 環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、第一項の規定により引取りを求められた場合の措置に関し必要な事項を定めることができる。 6 国は、都道府県等に対し、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、第一項の引取りに関し、費用の一部を補助することができる。 第三十六条 (負傷動物等の発見者の通報措置) 1 道路、公園、広場その他の公共の場所において、疾病にかかり、若しくは負傷した犬、ねこ等の動物又は犬、ねこ等の動物の死体を発見した者は、すみやかに、その所有者が判明しているときは所有者に、その所有者が判明しないときは都道府県知事等に通報するように努めなければならない。 2 都道府県等は、前項の規定による通報があつたときは、その動物又はその動物の死体を収容しなければならない。 3 前条第五項の規定は、前項の規定により動物を収容する場合に準用する。 第三十七条 (犬及びねこの繁殖制限) 1 犬又はねこの所有者は、これらの動物がみだりに繁殖してこれに適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合には、その繁殖を防止するため、生殖を不能にする手術その他の措置をするように努めなければならない。 2 都道府県等は、第三十五条第一項の規定による犬又はねこの引取り等に際して、前項に規定する措置が適切になされるよう、必要な指導及び助言を行うように努めなければならない。 第三十八条 (動物愛護推進員) 1 都道府県知事等は、地域における犬、ねこ等の動物の愛護の推進に熱意と識見を有する者のうちから、動物愛護推進員を委嘱することができる。 2 動物愛護推進員は、次に掲げる活動を行う。  一 犬、ねこ等の動物の愛護と適正な飼養の重要性について住民の理解を深めること。  二 住民に対し、その求めに応じて、犬、ねこ等の動物がみだりに繁殖することを防止するための生殖を不能にする手術その他の措置に関する必要な助言をすること。  三 犬、ねこ等の動物の所有者等に対し、その求めに応じて、これらの動物に適正な飼養を受ける機会を与えるために譲渡のあつせんその他の必要な支援をすること。  四 犬、ねこ等の動物の愛護と適正な飼養の推進のために国又は都道府県等が行う施策に必要な協力をすること。 第三十九条 (協議会)  都道府県等、動物の愛護を目的とする公益法人、獣医師の団体その他の動物の愛護と適正な飼養について普及啓発を行つている団体等は、当該都道府県等における動物愛護推進員の委嘱の推進、動物愛護推進員の活動に対する支援等に関し必要な協議を行うための協議会を組織することができる。    第五章 雑則 第四十条 (動物を殺す場合の方法) 1 動物を殺さなければならない場合には、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によつてしなければならない。 2 環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、前項の方法に関し必要な事項を定めることができる。 第四十一条 (動物を科学上の利用に供する場合の方法、事後措置等) 1 動物を教育、試験研究又は生物学的製剤の製造の用その他の科学上の利用に供する場合には、科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用すること、できる限りその利用に供される動物の数を少なくすること等により動物を適切に利用することに配慮するものとする。 2 動物を科学上の利用に供する場合には、その利用に必要な限度において、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によつてしなければならない。 3 動物が科学上の利用に供された後において回復の見込みのない状態に陥つている場合には、その科学上の利用に供した者は、直ちに、できる限り苦痛を与えない方法によつてその動物を処分しなければならない。 4 環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、第二項の方法及び前項の措置に関しよるべき基準を定めることができる。 第四十二条 (経過措置)  この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。 第四十三条 (審議会の意見の聴取)  環境大臣は、基本指針の策定、第七条第四項、第十二条第一項、第二十一条第一項、第二十七条第一項第一号若しくは第四十一条第四項の基準の設定、第二十五条第一項の事態の設定又は第三十五条第五項(第三十六条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第四十条第二項の定めをしようとするときは、中央環境審議会の意見を聴かなければならない。これらの基本指針、基準、事態又は定めを変更し、又は廃止しようとするときも、同様とする。    第六章 罰則 第四十四条 1 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。 2 愛護動物に対し、みだりに給餌又は給水をやめることにより衰弱させる等の虐待を行つた者は、五十万円以下の罰金に処する。 3 愛護動物を遺棄した者は、五十万円以下の罰金に処する。 4 前三項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。  一 牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、ねこ、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる  二 前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの 第四十五条  次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。  一 第二十六条第一項の規定に違反して許可を受けないで特定動物を飼養し、又は保管した者  二 不正の手段によつて第二十六条第一項の許可を受けた者  三 第二十八条第一項の規定に違反して第二十六条第二項第二号又は第四号から第六号までに掲げる事項を変更した者 第四十六条  次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。  一 第十条第一項の規定に違反して登録を受けないで動物取扱業を営んだ者  二 不正の手段によつて第十条第一項の登録(第十三条第一項の登録の更新を含む。)を受けた者  三 第十九条第一項の規定による業務の停止の命令に違反した者  四 第二十三条第三項又は第三十二条の規定による命令に違反した者 第四十七条  次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。  一 第十四条第一項若しくは第二項又は第二十八条第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者  二 第二十四条第一項又は第三十三条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者  三 第二十五条第二項の規定による命令に違反した者 第四十八条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第四十四条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。 第四十九条  第十六条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、二十万円以下の過料に処する。 第五十条  第十八条の規定による標識を掲げない者は、十万円以下の過料に処する。