# この不当景品類及び不当表示防止法の翻訳は、平成十七年法律第三十五号までの改正(平成18年1月4日施行)について、「法令用語日英標準対訳辞書」(平成18年3月版)に準拠して作成したものです。なお、この法令の翻訳は公定訳ではありません。法的効力を有するのは日本語の法令自体であり、翻訳はあくまでその理解を助けるための参考資料です。この翻訳の利用に伴って発生した問題について、一切の責任を負いかねますので、法律上の問題に関しては、官報に掲載された日本語の法令を参照してください。 不当景品類及び不当表示防止法 (昭和三十七年五月十五日法律第百三十四号) 第一条 (目的)  この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の特例を定めることにより、公正な競争を確保し、もつて一般消費者の利益を保護することを目的とする。 第二条 (定義) 1 この法律で「景品類」とは、顧客を誘引するための手段として、その方法が直接的であるか間接的であるかを問わず、くじの方法によるかどうかを問わず、事業者が自己の供給する商品又は役務の取引(不動産に関する取引を含む。以下同じ。)に附随して相手方に提供する物品、金銭その他の経済上の利益であつて、公正取引委員会が指定するものをいう。 2 この法律で「表示」とは、顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行なう広告その他の表示であつて、公正取引委員会が指定するものをいう。 第三条 (景品類の制限及び禁止)  公正取引委員会は、不当な顧客の誘引を防止するため必要があると認めるときは、景品類の価額の最高額若しくは総額、種類若しくは提供の方法その他景品類の提供に関する事項を制限し、又は景品類の提供を禁止することができる。 第四条 (不当な表示の禁止) 1 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号に掲げる表示をしてはならない。  一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示すことにより、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示  二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示  三 前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認めて公正取引委員会が指定するもの 2 公正取引委員会は、前項第一号に該当する表示か否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした事業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該事業者が当該資料を提出しないときは、第六条第一項及び第二項の規定の適用については、当該表示は同号に該当する表示とみなす。 第五条 (公聴会及び告示) 1 公正取引委員会は、第二条(定義)若しくは前条第一項(不当な表示の禁止)第三号の規定による指定若しくは第三条(景品類の制限及び禁止)の規定による制限若しくは禁止をし、又はこれらの変更若しくは廃止をしようとするときは、公正取引委員会規則で定めるところにより、公聴会を開き、関係事業者及び一般の意見を求めるものとする。 2 前項に規定する指定並びに制限及び禁止並びにこれらの変更及び廃止は、告示によつて行うものとする。 第六条 (排除命令) 1 公正取引委員会は、第三条(景品類の制限及び禁止)の規定による制限若しくは禁止又は第四条第一項(不当な表示の禁止)の規定に違反する行為があるときは、当該事業者に対し、その行為の差止め若しくはその行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項を命ずることができる。その命令(以下「排除命令」という。)は、当該違反行為が既になくなつている場合においても、することができる。 2 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第八条の二(排除措置)、第二十条(不公正な取引方法に係る排除措置)、第二十五条(無過失損害賠償責任)、第二十六条(損害賠償請求権の裁判上の主張の制限、消滅時効)及び第八章第二節(手続)(第四十六条、第四十九条第三項から第五項まで、第五十条、第五十一条、第五十三条、第五十五条第二項、第五項及び第六項、第五十九条第二項、第六十五条、第六十七条、第六十九条第三項、第七十条の二第四項、第七十条の九から第七十条の十一まで並びに第七十条の十二第一項を除く。)の規定の適用については、前項に規定する違反行為は同法第十九条(不公正な取引方法の禁止)の規定に違反する行為(事業者団体が事業者に当該行為に該当する行為をさせるようにする場合にあつては、同法第八条第一項第五号(事業者団体による不公正な取引方法の禁止)の不公正な取引方法に該当する行為)と、排除命令は排除措置命令とみなす。この場合において、同法第四十九条第一項(排除措置命令)中「排除措置命令書」とあるのは「排除命令書」と、「違反行為を排除し、又は違反行為が排除されたことを確保するために必要な措置」とあるのは「その行為の差止め若しくはその行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項」と、同条第二項中「排除措置命令書」とあるのは「排除命令書」と、同条第六項中「排除措置命令書」とあるのは「排除命令書」と、「六十日」とあるのは「三十日」と、同法第七十条の十五(事件記録の閲覧・謄写又は排除措置命令書等の謄抄本の交付)中「排除措置命令書」とあるのは「排除命令書」と、同法第七十条の二十一(行政手続法の適用除外)中「第三章」とあるのは「第三章(第十三条第一項及び第三節を除く。)」とする。 3 排除命令は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第九十条第三号(確定排除措置命令違反の罪)、第九十二条(懲役及び罰金の併科)、第九十五条第一項第二号、第二項第二号及び第三項(両罰規定)、第九十五条の二(違反行為の防止等をしない法人の代表者への罰則)並びに第九十五条の三(違反行為の防止等をしない事業者団体の理事等への罰則)(それぞれ同法第九十条第三号に係る部分に限る。)並びに第九十七条(排除命令違反に対する過料)の規定の適用については、排除措置命令とみなす。 第七条 (都道府県知事の指示)  都道府県知事は、第三条(景品類の制限及び禁止)の規定による制限若しくは禁止又は第四条第一項(不当な表示の禁止)の規定に違反する行為があると認めるときは、当該事業者に対し、その行為の取りやめ若しくはその行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項を指示することができる。その指示は、当該違反行為が既になくなつている場合においても、することができる。 第八条 (公正取引委員会への措置請求) 1 都道府県知事は、前条(都道府県知事の指示)の規定による指示を行つた場合において当該事業者がその指示に従わないとき、その他同条に規定する違反行為を取りやめさせるため、又は同条に規定する違反行為が再び行われることを防止するため必要があると認めるときは、公正取引委員会に対し、この法律の規定に従い適当な措置をとるべきことを求めることができる。 2 前項の規定による請求があつたときは、公正取引委員会は、当該違反行為について講じた措置を当該都道府県知事に通知するものとする。 第九条 (報告の徴収及び立入検査等) 1 都道府県知事は、第七条(都道府県知事の指示)の規定による指示又は前条第一項(公正取引委員会への措置請求)の規定による請求を行うため必要があると認めるときは、当該事業者若しくはその者とその事業に関して関係のある事業者に対し景品類若しくは表示に関する報告をさせ、又はその職員に、当該事業者若しくはその者とその事業に関して関係のある事業者の事務所、事業所その他その事業を行う場所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。 2 前項の規定により立入検査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。 3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 第十条 (技術的な助言及び勧告並びに資料の提出の要求) 1 公正取引委員会は、都道府県知事に対し、前三条(都道府県知事の指示、公正取引委員会への措置請求、報告の徴収及び立入検査等)の規定により都道府県知事が処理する事務の運営その他の事項について適切と認める技術的な助言若しくは勧告をし、又は当該助言若しくは勧告をするため若しくは当該都道府県知事の事務の適正な処理に関する情報を提供するため必要な資料の提出を求めることができる。 2 都道府県知事は、公正取引委員会に対し、前三条(都道府県知事の指示、公正取引委員会への措置請求、報告の徴収及び立入検査等)の規定により都道府県知事が処理する事務の管理及び執行について技術的な助言若しくは勧告又は必要な情報の提供を求めることができる。 第十一条 (是正の要求) 1 公正取引委員会は、第七条から第九条(都道府県知事の指示、公正取引委員会への措置請求、報告の徴収及び立入検査等)までの規定により都道府県知事が行う事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、当該都道府県知事に対し、当該都道府県知事の事務の処理について違反の是正又は改善のため必要な措置を講ずべきことを求めることができる。 2 都道府県知事は、前項の規定による求めを受けたときは、当該事務の処理について違反の是正又は改善のための必要な措置を講じなければならない。 第十二条 (公正競争規約) 1 事業者又は事業者団体は、公正取引委員会規則で定めるところにより、景品類又は表示に関する事項について、公正取引委員会の認定を受けて、不当な顧客の誘引を防止し、公正な競争を確保するための協定又は規約を締結し、又は設定することができる。これを変更しようとするときも、同様とする。 2 公正取引委員会は、前項の協定又は規約(以下「公正競争規約」という。)が次の各号に適合すると認める場合でなければ、前項の認定をしてはならない。  一 不当な顧客の誘引を防止し、公正な競争を確保するために適切なものであること。  二 一般消費者及び関連事業者の利益を不当に害するおそれがないこと。  三 不当に差別的でないこと。  四 公正競争規約に参加し、又は公正競争規約から脱退することを不当に制限しないこと。 3 公正取引委員会は、第一項の認定を受けた公正競争規約が前項各号に適合するものでなくなつたと認めるときは、当該認定を取り消さなければならない。 4 公正取引委員会は、第一項又は前項の規定による処分をしたときは、公正取引委員会規則で定めるところにより、告示しなければならない。 5 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第七条第一項及び第二項(排除措置)(第八条の二第二項(事業者団体による既往の違反行為に対する措置)及び第二十条第二項(既往の不公正な取引方法に対する措置)において準用する場合を含む。)、第八条の二第一項及び第三項(事業者団体に対する排除措置)、第二十条第一項(不公正な取引方法に係る排除措置)、第七十条の十三第一項(裁判所の緊急停止命令又はその変更・取消し)並びに第七十四条(告発・不起訴処分の報告)の規定は、第一項の認定を受けた公正競争規約及びこれに基づいてする事業者又は事業者団体の行為には、適用しない。 6 第一項又は第三項の規定による公正取引委員会の処分について不服があるものは、第四項の規定による告示があつた日から三十日以内に、公正取引委員会に対し、不服の申立てをすることができる。この場合において、公正取引委員会は、審判手続を経て、審決をもつて、当該申立てを却下し、又は当該処分を取り消し、若しくは変更しなければならない。 第十三条 (行政不服審査法の適用除外等) 1 この法律の規定により公正取引委員会がした処分については、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをすることができない。 2 前条第六項(公正競争規約の認定等に対する不服申立て)の申立てをすることができる事項に関する訴えは、審決に対するものでなければ、提起することができない。 第十四条 (罰則) 1 第六条第二項の規定により適用される私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第六十二条において読み替えて準用する刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第百五十四条(証人の宣誓)又は第百六十六条(鑑定人の宣誓)の規定により宣誓した参考人又は鑑定人が虚偽の陳述又は鑑定をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処する。 2 前項の罪を犯した者が、審判手続終了前であつて、かつ、犯罪の発覚する前に自白したときは、その刑を軽減し、又は免除することができる。 第十五条  次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。  一 第六条第二項の規定により適用される私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第四十七条第一項第一号(委員会による事件関係人に対する出頭命令等)若しくは第二項(審査官による処分)又は第五十六条第一項(審判官による処分)の規定による事件関係人又は参考人に対する処分に違反して出頭せず、陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をし、又は報告をせず、若しくは虚偽の報告をした者  二 第六条第二項の規定により適用される私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第四十七条第一項第二号(委員会による鑑定)若しくは第二項又は第五十六条第一項の規定による鑑定人に対する処分に違反して出頭せず、鑑定をせず、又は虚偽の鑑定をした者  三 第六条第二項の規定により適用される私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第四十七条第一項第三号(委員会による物件の提出命令)若しくは第二項又は第五十六条第一項の規定による物件の所持者に対する処分に違反して物件を提出しない者  四 第六条第二項の規定により適用される私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第四十七条第一項第四号(委員会の立入検査)若しくは第二項又は第五十六条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者 第十六条  第九条第一項(報告の徴収及び立入検査等)の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者は、五十万円以下の罰金に処する。 第十七条  第六条第二項の規定により適用される私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第六十二条において読み替えて準用する刑事訴訟法第百五十四条(証人の宣誓)又は第百六十六条(鑑定人の宣誓)の規定による参考人又は鑑定人に対する命令に違反して宣誓をしない者は、二十万円以下の罰金に処する。 第十八条 1 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して、第十五条又は第十六条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 2 法人でない団体の代表者、管理人、代理人、使用人その他の従業者がその団体の業務又は財産に関して、第十五条又は第十六条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その団体に対しても、各本条の罰金刑を科する。 3 前項の場合においては、代表者又は管理人が、その訴訟行為につきその団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の訴訟行為に関する刑事訴訟法の規定を準用する。