# この国家行政組織法の翻訳は平成十八年法律第百十八号までの改正(平成19年1月9日施行)について「法令用語日英標準対訳辞書」(平成19年3月版)に準拠して作成したものです。なお、この法令の翻訳は公定訳ではありません。法的効力を有するのは日本語の法令自体であり、翻訳はあくまでその理解を助けるための参考資料です。この翻訳の利用に伴って発生した問題について、一切の責任を負いかねますので、法律上の問題に関しては、官報に掲載された日本語の法令を参照してください。 国家行政組織法(昭和二十三年七月十日法律第百二十号) 第一条(目的) この法律は、内閣の統轄の下における行政機関で内閣府以外のもの(以下「国の行政機関」という。)の組織の基準を定め、もつて国の行政事務の能率的な遂行のために必要な国家行政組織を整えることを目的とする。 第二条(組織の構成) 1 国家行政組織は、内閣の統轄の下に、内閣府の組織とともに、任務及びこれを達成するため必要となる明確な範囲の所掌事務を有する行政機関の全体によつて、系統的に構成されなければならない。 2 国の行政機関は、内閣の統轄の下に、その政策について、自ら評価し、企画及び立案を行い、並びに国の行政機関相互の調整を図るとともに、その相互の連絡を図り、すべて、一体として、行政機能を発揮するようにしなければならない。内閣府との政策についての調整及び連絡についても、同様とする。 第三条(行政機関の設置、廃止、任務及び所掌事務) 1 国の行政機関の組織は、この法律でこれを定めるものとする。 2 行政組織のため置かれる国の行政機関は、省、委員会及び庁とし、その設置及び廃止は、別に法律の定めるところによる。 3 省は、内閣の統轄の下に行政事務をつかさどる機関として置かれるものとし、委員会及び庁は、省に、その外局として置かれるものとする。 4 第二項の国の行政機関として置かれるものは、別表第一にこれを掲げる。 第四条 前条の国の行政機関の任務及びこれを達成するため必要となる所掌事務の範囲は、別に法律でこれを定める。 第五条(行政機関の長) 1 各省の長は、それぞれ各省大臣とし、内閣法(昭和二十二年法律第五号)にいう主任の大臣として、それぞれ行政事務を分担管理する。 2 各省大臣は、国務大臣の中から、内閣総理大臣がこれを命ずる。但し、内閣総理大臣が、自らこれに当ることを妨げない。 第六条 委員会の長は、委員長とし、庁の長は、長官とする。 第七条 (内部部局) 1 省には、その所掌事務を遂行するため、官房及び局を置く。 2 前項の官房又は局には、特に必要がある場合においては、部を置くことができる。 3 庁には、その所掌事務を遂行するため、官房及び部を置くことができる。 4 官房、局及び部の設置及び所掌事務の範囲は、政令でこれを定める。 5 庁、官房、局及び部(その所掌事務が主として政策の実施に係るものである庁として別表第二に掲げるもの(以下「実施庁」という。)並びにこれに置かれる官房及び部を除く。)には、課及びこれに準ずる室を置くことができるものとし、これらの設置及び所掌事務の範囲は、政令でこれを定める。 6 実施庁並びにこれに置かれる官房及び部には、政令の定める数の範囲内において、課及びこれに準ずる室を置くことができるものとし、これらの設置及び所掌事務の範囲は、省令でこれを定める。 7 委員会には、法律の定めるところにより、事務局を置くことができる。第三項から第五項までの規定は、事務局の内部組織について、これを準用する。 8 委員会には、特に必要がある場合においては、法律の定めるところにより、事務総局を置くことができる。 第八条(審議会等) 第三条の国の行政機関には、法律の定める所掌事務の範囲内で、法律又は政令の定めるところにより、重要事項に関する調査審議、不服審査その他学識経験を有する者等の合議により処理することが適当な事務をつかさどらせるための合議制の機関を置くことができる。 第八条の二(施設等機関)  第三条の国の行政機関には、法律の定める所掌事務の範囲内で、法律又は政令の定めるところにより、試験研究機関、検査検定機関、文教研修施設(これらに類する機関及び施設を含む。)、医療更生施設、矯正収容施設及び作業施設を置くことができる。 第八条の三(特別の機関) 第三条の国の行政機関には、特に必要がある場合においては、前二条に規定するもののほか、法律の定める所掌事務の範囲内で、法律の定めるところにより、特別の機関を置くことができる。 第九条(地方支分部局) 第三条の国の行政機関には、その所掌事務を分掌させる必要がある場合においては、法律の定めるところにより、地方支分部局を置くことができる。 第十条(行政機関の長の権限) 各省大臣、各委員会の委員長及び各庁の長官は、その機関の事務を統括し、職員の服務について、これを統督する。 第十一条 各省大臣は、主任の行政事務について、法律若しくは政令の制定、改正又は廃止を必要と認めるときは、案をそなえて、内閣総理大臣に提出して、閣議を求めなければならない。 第十二条 1 各省大臣は、主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、それぞれその機関の命令として省令を発することができる。 2 各外局の長は、その機関の所掌事務について、それぞれ主任の各省大臣に対し、案をそなえて、省令を発することを求めることができる。 3 省令には、法律の委任がなければ、罰則を設け、又は義務を課し、若しくは国民の権利を制限する規定を設けることができない。 第十三条 1 各委員会及び各庁の長官は、別に法律の定めるところにより、政令及び省令以外の規則その他の特別の命令を自ら発することができる。 2 前条第三項の規定は、前項の命令に、これを準用する。 第十四条 1 各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、公示を必要とする場合においては、告示を発することができる。 2 各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、命令又は示達するため、所管の諸機関及び職員に対し、訓令又は通達を発することができる。 第十五条  各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の任務を遂行するため政策について行政機関相互の調整を図る必要があると認めるときは、その必要性を明らかにした上で、関係行政機関の長に対し、必要な資料の提出及び説明を求め、並びに当該関係行政機関の政策に関し意見を述べることができる。 第十六条(副大臣) 1 各省に副大臣を置く。 2 副大臣の定数は、それぞれ別表第三の副大臣の定数の欄に定めるところによる。 3 副大臣は、その省の長である大臣の命を受け、政策及び企画をつかさどり、政務を処理し、並びにあらかじめその省の長である大臣の命を受けて大臣不在の場合その職務を代行する。 4 副大臣が二人置かれた省においては、各副大臣の行う前項の職務の範囲及び職務代行の順序については、その省の長である大臣の定めるところによる。 5 副大臣の任免は、その省の長である大臣の申出により内閣が行い、天皇がこれを認証する。 6 副大臣は、内閣総辞職の場合においては、内閣総理大臣その他の国務大臣がすべてその地位を失つたときに、これと同時にその地位を失う。 第十七条(大臣政務官) 1 各省に大臣政務官を置く。 2 大臣政務官の定数は、それぞれ別表第三の大臣政務官の定数の欄に定めるところによる。 3 大臣政務官は、その省の長である大臣を助け、特定の政策及び企画に参画し、政務を処理する。 4 各大臣政務官の行う前項の職務の範囲については、その省の長である大臣の定めるところによる。 5 大臣政務官の任免は、その省の長である大臣の申出により、内閣がこれを行う。 6 前条第六項の規定は、大臣政務官について、これを準用する。 第十八条(事務次官及び庁の次長等) 1 各省には、事務次官一人を置く。 2 事務次官は、その省の長である大臣を助け、省務を整理し、各部局及び機関の事務を監督する。 3 各庁には、特に必要がある場合においては、長官を助け、庁務を整理する職として次長を置くことができるものとし、その設置及び定数は、政令でこれを定める。 4 各省及び各庁には、特に必要がある場合においては、その所掌事務の一部を総括整理する職を置くことができるものとし、その設置、職務及び定数は、法律(庁にあつては、政令)でこれを定める。 第十九条(秘書官) 1 各省に秘書官を置く。 2 秘書官の定数は、政令でこれを定める。 3 秘書官は、それぞれ各省大臣の命を受け、機密に関する事務を掌り、又は臨時命を受け各部局の事務を助ける。 第二十条(官房及び局の所掌に属しない事務をつかさどる職等) 1 各省には、特に必要がある場合においては、官房及び局の所掌に属しない事務の能率的な遂行のためこれを所掌する職で局長に準ずるものを置くことができるものとし、その設置、職務及び定数は、政令でこれを定める。 2 各庁には、特に必要がある場合においては、官房及び部の所掌に属しない事務の能率的な遂行のためこれを所掌する職で部長に準ずるものを置くことができるものとし、その設置、職務及び定数は、政令でこれを定める。 3 各省及び各庁(実施庁を除く。)には、特に必要がある場合においては、前二項の職のつかさどる職務の全部又は一部を助ける職で課長に準ずるものを置くことができるものとし、その設置、職務及び定数は、政令でこれを定める。 4 実施庁には、特に必要がある場合においては、政令の定める数の範囲内において、第二項の職のつかさどる職務の全部又は一部を助ける職で課長に準ずるものを置くことができるものとし、その設置、職務及び定数は、省令でこれを定める。 第二十一条(内部部局の職) 1 委員会の事務局並びに局、部、課及び課に準ずる室に、それぞれ事務局長並びに局長、部長、課長及び室長を置く。 2 官房には、長を置くことができるものとし、その設置及び職務は、政令でこれを定める。 3 局、部又は委員会の事務局には、次長を置くことができるものとし、その設置、職務及び定数は、政令でこれを定める。 4 官房、局若しくは部(実施庁に置かれる官房及び部を除く。)又は委員会の事務局には、その所掌事務の一部を総括整理する職又は課(課に準ずる室を含む。)の所掌に属しない事務の能率的な遂行のためこれを所掌する職で課長に準ずるものを置くことができるものとし、これらの設置、職務及び定数は、政令でこれを定める。官房又は部を置かない庁(実施庁を除く。)にこれらの職に相当する職を置くときも、同様とする。 5 実施庁に置かれる官房又は部には、政令の定める数の範囲内において、その所掌事務の一部を総括整理する職又は課(課に準ずる室を含む。)の所掌に属しない事務の能率的な遂行のためこれを所掌する職で課長に準ずるものを置くことができるものとし、これらの設置、職務及び定数は、省令でこれを定める。官房又は部を置かない実施庁にこれらの職に相当する職を置くときも、同様とする。 第二十二条(現業の行政機関に関する特例) 現業の行政機関については、特に法律の定めるところにより、第七条及び前条の規定にかかわらず、別段の定めをすることができる。 第二十三条(官房及び局の数) 第七条第一項の規定に基づき置かれる官房及び局の数は、内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第十七条第一項の規定に基づき置かれる官房及び局の数と合わせて、九十六以内とする。 第二十四条(組織上の職名) この法律の規定に基く職には、職階制による職級の名称の外、それぞれ当該組織上の名称を附するものとする。 第二十五条(国会への報告等) 1 政府は、第七条第四項(同条第七項において準用する場合を含む。)、第八条、第八条の二、第十八条第三項若しくは第四項、第二十条第一項若しくは第二項又は第二十一条第二項若しくは第三項の規定により政令で設置される組織その他これらに準ずる主要な組織につき、その新設、改正及び廃止をしたときは、その状況を次の国会に報告しなければならない。 2 政府は、少なくとも毎年一回国の行政機関の組織の一覧表を官報で公示するものとする。 別表第1(第3条関係) │省│委員会│庁│ │総務省│公害等調整委員会│消防庁│ │法務省│公安審査委員会│公安調査庁│ │外務省│││ │財務省││国税庁│ │文部科学省││文化庁│ │厚生労働省│中央労働委員会│社会保険庁│ │農林水産省││林野庁│ │││水産庁│ │経済産業省││資源エネルギー庁│ │││特許庁│ │││中小企業庁│ │国土交通省│船員労働委員会│気象庁│ │││海上保安庁│ │││海難審判庁│ │環境省│││ │防衛省││防衛施設庁│ 別表第2(第7条関係) │公安調査庁│ │国税庁│ │社会保険庁│ │特許庁│ │気象庁│ │海上保安庁│ │海難審判庁│ │防衛施設庁│ 別表第3(第16条、第17条関係) │省│副大臣の定数│政務官の定数│ │総務省│2人│3人│ │法務省│1人│1人│ │外務省│2人│3人│ │財務省│2人│2人│ │文部科学省│2人│2人│ │厚生労働省│2人│2人│ │農林水産省│2人│2人│ │経済産業省│2人│2人│ │国土交通省│2人│3人│ │環境省│1人│1人│ │防衛省│1人│2人│