# この特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律(平成18年4月1日施行)の翻訳は、「法令用語日英標準対訳辞書」(平成18年3月版)に準拠して作成したものです。なお、この法令の翻訳は公定訳ではありません。法的効力を有するのは日本語の法令自体であり、翻訳はあくまでその理解を助けるための参考資料です。この翻訳の利用に伴って発生した問題について、一切の責任を負いかねますので、法律上の問題に関しては、官報に掲載された日本語の法令を参照してください。 特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律 (平成十七年法律第五十一号)    第一章 総則 第一条 (目的)  この法律は、特定原動機及び特定特殊自動車について技術上の基準を定め、特定特殊自動車の使用について必要な規制を行うこと等により、特定特殊自動車排出ガスの排出を抑制し、もって大気の汚染に関し、国民の健康を保護するとともに生活環境を保全することを目的とする。 第二条 (定義) 1 この法律において「特定特殊自動車」とは、道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第二条第二項に規定する自動車(同条第五項に規定する運行の用に供するものを除く。)であって、次に掲げるもの(けん引して陸上を移動させることを目的として製作した用具その他政令で定めるものを除く。)をいう。  一 道路運送車両法第三条に規定する大型特殊自動車及び小型特殊自動車  二 建設機械抵当法(昭和二十九年法律第九十七号)第二条に規定する建設機械に該当する自動車(前号に掲げるものを除く。)その他の構造が特殊な自動車であって政令で定めるもの 2 この法律において「特定原動機」とは、特定特殊自動車に搭載される原動機及びこれと一体として搭載される装置で主務省令で定めるものをいう。 3 この法律において「特定特殊自動車排出ガス」とは、特定特殊自動車の使用に伴い発生する一酸化炭素、炭化水素、鉛その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質で政令で定めるものをいう。 第三条 (国の責務)  国は、特定特殊自動車排出ガスの規制に関する国際的な連携の確保、特定特殊自動車排出ガスの排出の抑制に関する啓発及び知識の普及その他の特定特殊自動車排出ガスによる大気の汚染の防止に関する施策を推進するよう努めなければならない。 第四条 (事業者及び使用者の責務) 1 特定特殊自動車製作等事業者(特定特殊自動車の製作又は輸入(以下「製作等」という。)を業とする者をいう。以下同じ。)は、特定特殊自動車の製作等に際して、その製作等に係る特定特殊自動車が使用されることにより排出される特定特殊自動車排出ガスによる大気の汚染の防止が図られるよう努めなければならない。 2 特定特殊自動車を使用する者は、特定特殊自動車排出ガスの排出の抑制のため必要な措置を講ずるよう努めるとともに、国が実施する特定特殊自動車排出ガスによる大気の汚染の防止に関する施策に協力しなければならない。    第二章 特定原動機及び特定特殊自動車     第一節 特定原動機の型式指定等 第五条 (特定原動機の技術基準)  主務大臣は、特定原動機について、主務省令で、特定特殊自動車排出ガスによる大気の汚染の防止を図るため必要な技術上の基準(以下「特定原動機技術基準」という。)を定めなければならない。 第六条 (特定原動機の型式指定) 1 主務大臣は、特定原動機の製作等を業とする者(以下「特定原動機製作等事業者」という。)の申請により、特定原動機をその型式について指定する。 2 前項の指定の申請は、本邦に輸出される特定原動機について、外国において当該特定原動機を製作することを業とする者又はその者から当該特定原動機を購入する契約を締結している者であって当該特定原動機を本邦に輸出することを業とするものも行うことができる。 3 第一項の指定は、申請に係る特定原動機が特定原動機技術基準に適合し、かつ、均一性を有するものであるかどうかを判定することによって行う。 4 第一項の指定は、当該特定原動機を取り付けることができる特定特殊自動車の範囲を限定して行うことができる。 5 主務大臣は、第一項の規定によりその型式について指定を受けた特定原動機(以下「型式指定特定原動機」という。)が特定原動機技術基準に適合しなくなり、又は均一性を有するものでなくなったときは、その指定を取り消すことができる。この場合において、主務大臣は、取消しの日までに製作された特定原動機について取消しの効力の及ぶ範囲を限定することができる。 6 前項の規定によるほか、主務大臣は、指定外国特定原動機製作者等(第二項に規定する者であってその製作し、又は輸出する特定原動機の型式について第一項の指定を受けたものをいう。以下この項において同じ。)が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該指定外国特定原動機製作者等に係る第一項の指定を取り消すことができる。  一 指定外国特定原動機製作者等が第八条の規定に基づく主務省令の規定(第一項の指定に係る部分に限る。)に違反したとき。  二 主務大臣がこの法律の施行に必要な限度において指定外国特定原動機製作者等に対しその業務に関し報告を求めた場合において、その報告がされず、又は虚偽の報告がされたとき。  三 主務大臣がこの法律の施行に必要な限度においてその職員に指定外国特定原動機製作者等の工場若しくは事業場又は型式指定特定原動機の所在すると認める場所において当該特定原動機、帳簿、書類その他の物件についての検査をさせ、又は関係者に質問をさせようとした場合において、その検査が拒まれ、妨げられ、若しくは忌避され、又は質問に対し陳述がされず、若しくは虚偽の陳述がされたとき。 7 道路運送車両法第七十五条の二第一項に規定する特定装置のうち主務省令で定めるものは、同項の規定によりその型式について指定を受けた場合には、第十条第一項の規定の適用については、型式指定特定原動機とみなす。 第七条 (特定原動機の表示) 1 前条第一項の申請をした者は、その申請に係る型式指定特定原動機につき、主務省令で定める表示を付することができる。 2 何人も、前項に規定する場合を除くほか、特定原動機に同項の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。 第八条 (主務省令への委任)  この節に定めるもののほか、特定原動機の型式の指定の手続その他この節の規定の施行に関し必要な事項は、主務省令で定める。     第二節 特定特殊自動車の型式届出等 第九条 (特定特殊自動車の技術基準)  主務大臣は、特定特殊自動車の特定原動機以外の部分について、主務省令で、特定特殊自動車排出ガスによる大気の汚染の防止を図るため必要な技術上の基準(以下「特定特殊自動車技術基準」という。)を定めなければならない。 第十条 (特定特殊自動車の型式届出) 1 特定特殊自動車製作等事業者は、その製作等に係る特定特殊自動車に型式指定特定原動機を搭載し、かつ、当該特定特殊自動車と同一の型式に属する特定特殊自動車のいずれもが特定特殊自動車技術基準に適合するものとなることを確保することができると認めるときは、主務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を主務大臣に届け出ることができる。  一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名  二 当該特定特殊自動車の車名及び型式  三 当該特定特殊自動車に係る型式指定特定原動機の型式  四 当該型式に属する特定特殊自動車のいずれもが特定特殊自動車技術基準に適合することの確認の方法(以下「確認方法」という。) 2 前項の届出は、本邦に輸出される特定特殊自動車について、外国において当該特定特殊自動車を製作することを業とする者又はその者から当該特定特殊自動車を購入する契約を締結している者であって当該特定特殊自動車を本邦に輸出することを業とするものも行うことができる。 3 第一項の規定による届出をした者(以下「届出事業者」という。)は、同項第一号又は第四号に掲げる事項に変更があったときは、主務省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。 4 主務大臣は、第一項の規定による届出があったときは、その旨を公示しなければならない。前項の規定による届出があった場合において、その公示した事項に変更があったときも、同様とする。 第十一条 (技術基準適合義務等) 1 届出事業者は、前条第一項の規定による届出に係る特定特殊自動車(以下「型式届出特定特殊自動車」という。)の製作等をする場合においては、当該型式届出特定特殊自動車について、特定特殊自動車技術基準に適合するようにしなければならない。 2 届出事業者は、前条第一項の規定による届出に係る確認方法に従い、その製作等に係る型式届出特定特殊自動車について検査を行い、主務省令で定めるところにより、その検査記録を作成し、これを保存しなければならない。 第十二条 (特定特殊自動車の表示) 1 届出事業者は、型式届出特定特殊自動車について、前条第二項の規定による義務を履行したときは、当該型式届出特定特殊自動車に主務省令で定める表示(以下「基準適合表示」という。)を付することができる。 2 特定特殊自動車製作等事業者は、その製作等に係る特定特殊自動車について、前条第二項の規定による義務と同等なものとして主務省令で定める道路運送車両法に基づく命令の規定による義務を履行したときは、基準適合表示を付することができる。 3 特定特殊自動車製作等事業者は、特定特殊自動車排出ガスの排出状況その他の事情を勘案して政令で定める台数以下の同一の型式に属する特定特殊自動車(以下「少数生産車」という。)の製作等をした場合であって、主務省令で定める基準に適合するものとして主務省令で定めるところにより主務大臣の承認を受けたときは、当該少数生産車に主務省令で定める表示(以下「少数特例表示」という。)を付することができる。 4 何人も、前三項の規定により表示を付する場合を除くほか、特定特殊自動車に基準適合表示若しくは少数特例表示又はこれらと紛らわしい表示を付してはならない。 第十三条 (届出事業者に対する改善命令)  主務大臣は、届出事業者が第十一条第一項の規定に違反していると認めるときその他型式届出特定特殊自動車が特定特殊自動車技術基準に適合することを確保するため必要があると認めるときは、当該届出事業者に対し、第十条第一項の規定による届出に係る確認方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。 第十四条 (表示の禁止) 1 主務大臣は、次の各号に掲げる場合には、届出事業者に対し、当該各号に定める型式に属する特定特殊自動車に基準適合表示を付することを禁止することができる。  一 同一の型式に属する型式届出特定特殊自動車の全部又は大部分が特定特殊自動車技術基準に適合していないと認めるとき。当該型式届出特定特殊自動車の型式  二 届出事業者が前条の規定による命令に違反したとき。当該違反に係る型式届出特定特殊自動車の型式 2 主務大臣は、前項の規定により基準適合表示を付することを禁止したときは、その旨を公示しなければならない。 第十五条 (基準適合表示の失効)  同一の型式に属する型式届出特定特殊自動車の全部又は大部分が特定特殊自動車技術基準に適合していないと主務大臣が認めて公示したときは、当該型式届出特定特殊自動車の型式に属する特定特殊自動車に係る基準適合表示は、その効力を失う。 第十六条 (主務省令への委任)  この節に定めるもののほか、特定特殊自動車の型式の届出の手続その他この節の規定の施行に関し必要な事項は、主務省令で定める。    第三章 特定特殊自動車の使用の制限等 第十七条 (使用の制限) 1 特定特殊自動車は、基準適合表示又は少数特例表示が付されたものでなければ、使用してはならない。ただし、主務省令で定めるところにより、その使用の開始前に、主務大臣の検査を受け、その特定特殊自動車が特定原動機技術基準及び特定特殊自動車技術基準に適合することの確認を受けたときは、この限りでない。 2 試験研究の目的で使用する場合、使用の開始後に第十五条の規定により基準適合表示が失効した場合その他の主務省令で定める場合については、前項本文の規定は適用しない。 第十八条 (技術基準適合命令)  主務大臣は、特定特殊自動車が技術基準(特定原動機技術基準及び特定特殊自動車技術基準(第十二条第三項の規定による承認を受けた少数生産車にあっては、同項の基準)をいう。以下同じ。)に適合しない状態になったと認めるときは、当該特定特殊自動車の使用者に対し、期間を定めて技術基準に適合させるために必要な整備を行うべきことを命ずることができる。    第四章 登録特定原動機検査機関及び登録特定特殊自動車検査機関     第一節 登録特定原動機検査機関 第十九条 (登録特定原動機検査機関) 1 主務大臣は、主務省令で定めるところにより、第六条第一項の規定による特定原動機の型式の指定に関する主務大臣の事務のうち、当該特定原動機が特定原動機技術基準に適合するかどうかの検査の実施に関する事務(以下「特定原動機検査事務」という。)について、主務大臣の登録を受けた者(以下「登録特定原動機検査機関」という。)があるときは、その登録特定原動機検査機関に行わせるものとする。 2 前項の登録(以下この節において「登録」という。)は、特定原動機検査事務を行おうとする者の申請により行う。 3 次の各号のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない。  一 この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者であること。  二 第二十三条第四項又は第五項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者であること。  三 法人であって、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があること。 4 主務大臣は、登録の申請をした者(以下この項において「登録申請者」という。)が次の各号のいずれにも適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、主務省令で定める。  一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学若しくは高等専門学校において工学その他原動機に関して必要な課程を修めて卒業した者又はこれと同等以上の学力を有する者であって、通算して三年以上原動機に関する実務の経験を有するものが特定原動機検査事務を実施し、その人数が二名以上であること。  二 登録申請者が、特定原動機製作等事業者に支配されているものとして次のいずれかに該当するものでないこと。   イ 登録申請者が株式会社である場合にあっては、特定原動機製作等事業者がその親法人(会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第一項に規定する親法人をいう。以下同じ。)であること。   ロ 登録申請者の役員(持分会社(会社法第五百七十五条第一項に規定する持分会社をいう。以下同じ。)にあっては、業務を執行する社員)に占める特定原動機製作等事業者の役員又は職員(過去二年間にその特定原動機製作等事業者の役員又は職員であった者を含む。)の割合が二分の一を超えていること。   ハ 登録申請者(法人にあっては、その代表権を有する役員)が、特定原動機製作等事業者の役員又は職員(過去二年間にその特定原動機製作等事業者の役員又は職員であった者を含む。)であること。 5 登録は、登録特定原動機検査機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。  一 登録の年月日及び番号  二 登録を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名  三 登録を受けた者が特定原動機検査事務を実施する事業場の名称及び所在地  四 前三号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項 6 主務大臣は、登録をしたときは、登録に係る特定原動機検査事務を行わないものとする。 第二十条 (登録の更新) 1 登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。 2 前条第二項から第五項までの規定は、前項の登録の更新について準用する。 第二十一条 (遵守事項等) 1 登録特定原動機検査機関は、特定原動機検査事務を実施することを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、特定原動機検査事務を実施しなければならない。 2 登録特定原動機検査機関は、公正に、かつ、主務省令で定める方法により特定原動機検査事務を実施しなければならない。 3 登録特定原動機検査機関は、特定原動機検査事務を実施する事業場の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、主務大臣に届け出なければならない。 4 登録特定原動機検査機関は、その特定原動機検査事務の開始前に、主務省令で定めるところにより、その特定原動機検査事務の実施に関する規程を定め、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。 5 登録特定原動機検査機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事業場に備えて置かなければならない。 6 特定原動機製作等事業者その他の利害関係人は、登録特定原動機検査機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録特定原動機検査機関の定めた費用を支払わなければならない。  一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求  二 前号の書面の謄本又は抄本の請求  三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を主務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求  四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって主務省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求 7 登録特定原動機検査機関は、主務省令で定めるところにより、帳簿を備え、特定原動機検査事務に関し主務省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。 8 登録特定原動機検査機関は、主務大臣の許可を受けなければ、その特定原動機検査事務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。 9 主務大臣は、登録特定原動機検査機関が前項の許可を受けてその特定原動機検査事務の全部若しくは一部を休止したとき、第二十三条第五項の規定により登録特定原動機検査機関に対し特定原動機検査事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は登録特定原動機検査機関が天災その他の事由によりその特定原動機検査事務の全部若しくは一部を実施することが困難となった場合において必要があると認めるときは、その特定原動機検査事務の全部又は一部を自ら行うものとする。 10 主務大臣が前項の規定により特定原動機検査事務の全部若しくは一部を自ら行う場合、登録特定原動機検査機関が第八項の許可を受けてその特定原動機検査事務の全部若しくは一部を廃止する場合又は主務大臣が第二十三条第四項若しくは第五項の規定により登録を取り消した場合における特定原動機検査事務の引継ぎその他の必要な事項は、主務省令で定める。 第二十二条 (秘密保持義務等) 1 登録特定原動機検査機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、その特定原動機検査事務に関し知り得た秘密を漏らしてはならない。 2 特定原動機検査事務に従事する登録特定原動機検査機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。 第二十三条 (登録特定原動機検査機関に対する適合命令等) 1 主務大臣は、登録特定原動機検査機関が第十九条第四項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その登録特定原動機検査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。 2 主務大臣は、登録特定原動機検査機関が第二十一条第一項又は第二項の規定に違反していると認めるときは、その登録特定原動機検査機関に対し、特定原動機検査事務を実施すべきこと又は特定原動機検査事務の方法の改善に関し必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。 3 主務大臣は、第二十一条第四項の規程が特定原動機検査事務の公正な実施上不適当となったと認めるときは、その規程を変更すべきことを命ずることができる。 4 主務大臣は、登録特定原動機検査機関が第十九条第三項第一号又は第三号に該当するに至ったときは、登録を取り消さなければならない。 5 主務大臣は、登録特定原動機検査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて特定原動機検査事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。  一 第二十一条第三項から第五項まで、第七項又は第八項の規定に違反したとき。  二 第二十一条第四項の規程によらないで特定原動機検査事務を実施したとき。  三 正当な理由がないのに第二十一条第六項各号の規定による請求を拒んだとき。  四 第一項から第三項までの規定による命令に違反したとき。  五 不正の手段により登録を受けたとき。 第二十四条 (報告徴収及び立入検査) 1 主務大臣は、この節の規定の施行に必要な限度において、登録特定原動機検査機関に対し、その特定原動機検査事務に関し報告を求め、又はその職員に、登録特定原動機検査機関の事務所その他の事業場に立ち入り、登録特定原動機検査機関の帳簿、書類その他必要な物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。 2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。 3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 第二十五条 (公示) 1 主務大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。  一 登録をしたとき。  二 第二十一条第三項の規定による届出があったとき。  三 第二十一条第八項の規定による許可をしたとき。  四 第二十一条第九項の規定により主務大臣が特定原動機検査事務の全部若しくは一部を自ら行うこととするとき、又は自ら行っていた特定原動機検査事務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。  五 第二十三条第四項若しくは第五項の規定により登録を取り消し、又は同項の規定により特定原動機検査事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。     第二節 登録特定特殊自動車検査機関 第二十六条 (登録特定特殊自動車検査機関) 1 主務大臣は、主務省令で定めるところにより、第十七条第一項ただし書に規定する主務大臣の事務のうち当該特定特殊自動車が技術基準に適合するかどうかの検査の実施に関する事務(以下「特定特殊自動車検査事務」という。)について、主務大臣の登録を受けた者(以下「登録特定特殊自動車検査機関」という。)があるときは、その登録特定特殊自動車検査機関に行わせるものとする。 2 主務大臣は、前項の登録の申請をした者(以下この項において「登録申請者」という。)が次の各号のいずれにも適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、主務省令で定める。  一 特定特殊自動車排出ガスの濃度計その他の器具を用いて特定特殊自動車検査事務を行うものであること。  二 学校教育法に基づく大学若しくは高等専門学校において工学その他原動機に関して必要な課程を修めて卒業した者又はこれと同等以上の学力を有する者であって、通算して三年以上原動機に関する実務の経験を有するものが特定特殊自動車検査事務を実施し、その人数が二名以上であること。  三 登録申請者が、特定特殊自動車製作等事業者に支配されているものとして次のいずれかに該当するものでないこと。   イ 登録申請者が株式会社である場合にあっては、特定特殊自動車製作等事業者がその親法人であること。   ロ 登録申請者の役員(持分会社にあっては、業務を執行する社員)に占める特定特殊自動車製作等事業者の役員又は職員(過去二年間にその特定特殊自動車製作等事業者の役員又は職員であった者を含む。)の割合が二分の一を超えていること。   ハ 登録申請者(法人にあっては、その代表権を有する役員)が、特定特殊自動車製作等事業者の役員又は職員(過去二年間にその特定特殊自動車製作等事業者の役員又は職員であった者を含む。)であること。 第二十七条 (準用)  第十九条第二項、第三項、第五項及び第六項並びに第二十条の規定は前条第一項の登録について、第二十一条から第二十五条までの規定は登録特定特殊自動車検査機関について準用する。この場合において、これらの規定中「特定原動機検査事務」とあるのは「特定特殊自動車検査事務」と、第十九条第五項中「登録特定原動機検査機関登録簿」とあるのは「登録特定特殊自動車検査機関登録簿」と、第二十一条第六項中「特定原動機製作等事業者」とあるのは「特定特殊自動車製作等事業者」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。    第五章 雑則 第二十八条 (指針) 1 主務大臣は、特定特殊自動車排出ガスの排出の抑制を図るために必要があると認めるときは、特定特殊自動車を業として使用する者が使用する特定特殊自動車の燃料の種類その他の事項について必要な指針を定め、これを公表するものとする。 2 主務大臣は、特定特殊自動車を業として使用する者に対し、前項の指針に即して特定特殊自動車排出ガスの排出の抑制を図ることについて指導及び助言を行うことができる。 第二十九条 (報告徴収及び立入検査) 1 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、第六条第一項の規定による特定原動機の型式の指定を受けた者(次項において「指定事業者」という。)、届出事業者、第十二条第三項の規定による少数生産車の承認を受けた者(次項において「承認事業者」という。)又は特定特殊自動車の使用者に対し、その業務の状況、特定特殊自動車の使用の状況その他必要な事項に関し報告をさせることができる。 2 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、指定事業者、届出事業者、承認事業者若しくは特定特殊自動車の使用者の工場若しくは事業場又は特定特殊自動車の所在すると認められる場所に立ち入り、特定特殊自動車、帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。 3 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。 4 第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。 第三十条 (手数料) 1 次に掲げる者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国(登録特定原動機検査機関が特定原動機検査事務を行う場合にあっては登録特定原動機検査機関、登録特定特殊自動車検査機関が特定特殊自動車検査事務を行う場合にあっては登録特定特殊自動車検査機関)に納めなければならない。  一 第六条第一項の指定を受けようとする者  二 第十二条第三項の承認を受けようとする者  三 第十七条第一項ただし書の検査を受けようとする者 2 前項の規定により登録特定原動機検査機関又は登録特定特殊自動車検査機関に納められた手数料は、それぞれ、登録特定原動機検査機関又は登録特定特殊自動車検査機関の収入とする。 第三十一条 (経過措置の命令への委任)  この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。 第三十二条 (主務大臣等) 1 この法律における主務大臣は、環境大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣とする。ただし、次の各号に掲げる事項については、当該各号に定める大臣とする。  一 第十八条の規定による命令並びに第二十九条第一項の規定による報告徴収及び同条第二項の規定による立入検査(特定特殊自動車の使用者に係るものに限る。)に関する事項 環境大臣及び特定特殊自動車を使用する事業を所管する大臣  二 第二十八条第一項の規定による指針の策定及び公表並びに同条第二項の規定による指導及び助言に関する事項 特定特殊自動車を使用する事業を所管する大臣 2 この法律における主務省令は、主務大臣の発する命令とする。 3 主務大臣は、第二十八条第一項の指針を定めようとするときは、あらかじめ、環境大臣に協議しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。 第三十三条 (権限の委任)  この法律の規定により主務大臣の権限に属する事項は、主務省令で定めるところにより、地方支分部局の長に委任することができる。    第六章 罰則 第三十四条  第十四条第一項の規定による禁止に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。 第三十五条  第二十二条第一項(第二十七条において準用する場合を含む。)の規定に違反した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 第三十六条  第二十三条第五項(第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による特定原動機検査事務又は特定特殊自動車検査事務の停止命令に違反したときは、その違反行為をした登録特定原動機検査機関又は登録特定特殊自動車検査機関の役員又は職員は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 第三十七条  第十二条第四項の規定に違反して表示を付した者は、五十万円以下の罰金に処する。 第三十八条 1 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。  一 第七条第二項の規定に違反して表示を付した者  二 第十条第一項の規定による届出をする場合において虚偽の届出をした者  三 第十一条第二項の規定に違反して、記録を作成せず、若しくは虚偽の記録を作成し、又は記録を保存しなかった者  四 第十七条第一項の規定に違反して特定特殊自動車を使用した者  五 第十八条の規定による命令に違反した者  六 第二十九条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者  七 第二十九条第二項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者 第三十九条  次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした登録特定原動機検査機関又は登録特定特殊自動車検査機関の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。  一 第二十一条第七項(第二十七条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、同項に規定する事項の記載をせず、若しくは虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。  二 第二十一条第八項(第二十七条において準用する場合を含む。)の許可を受けないで特定原動機検査事務又は特定特殊自動車検査事務の全部を廃止したとき。  三 第二十四条第一項(第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。 第四十条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は所有し、若しくは使用する特定特殊自動車に関し、第三十四条、第三十七条又は第三十八条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。 第四十一条  第十条第三項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、二十万円以下の過料に処する。 第四十二条  次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした登録特定原動機検査機関又は登録特定特殊自動車検査機関の役員又は職員は、二十万円以下の過料に処する。  一 第二十一条第五項(第二十七条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。  二 正当な理由がないのに第二十一条第六項各号(第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒んだとき。   附 則(抄) 第一条 (施行期日)  この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第三章、第二十八条第二項、第二十九条(特定特殊自動車の使用者に係るものに限る。)並びに第三十八条第四号及び第五号の規定は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 第二条 (経過措置)  前条ただし書に規定する日前に製作された特定特殊自動車であって、主務省令で定めるところにより同日前に製作されたものであることを証する書類その他の物件を備え付けているものについては、第三章の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)は、適用しない。 第三条 (検討)  政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。