# この知的財産高等裁判所設置法(平成17年4月1日施行)の翻訳は、「法令用語日英標準対訳辞書」(平成19年3月版)に準拠して作成したものです。なお、この法令の翻訳は公定訳ではありません。法的効力を有するのは日本語の法令自体であり、翻訳はあくまでその理解を助けるための参考資料です。この翻訳の利用に伴って発生した問題について、一切の責任を負いかねますので、法律上の問題に関しては、官報に掲載された日本語の法令を参照してください。 知的財産高等裁判所設置法 (平成十六年法律第百十九号) 第一条 (趣旨)  この法律は、我が国の経済社会における知的財産の活用の進展に伴い、知的財産の保護に関し司法の果たすべき役割がより重要となることにかんがみ、知的財産に関する事件についての裁判の一層の充実及び迅速化を図るため、知的財産に関する事件を専門的に取り扱う知的財産高等裁判所の設置のために必要な事項を定めるものとする。 第二条 (知的財産高等裁判所の設置)  東京高等裁判所の管轄に属する事件のうち、次に掲げる知的財産に関する事件を取り扱わせるため、裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)第二十二条第一項の規定にかかわらず、特別の支部として、東京高等裁判所に知的財産高等裁判所を設ける。  一 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、回路配置利用権、著作者の権利、出版権、著作隣接権若しくは育成者権に関する訴え又は不正競争(不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)第二条第一項に規定する不正競争をいう。)による営業上の利益の侵害に係る訴えについて地方裁判所が第一審としてした終局判決に対する控訴に係る訴訟事件であってその審理に専門的な知見を要するもの  二 特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第百七十八条第一項の訴え、実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第四十七条第一項の訴え、意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第五十九条第一項の訴え又は商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第六十三条第一項(同法第六十八条第五項において準用する場合を含む。)の訴えに係る訴訟事件  三 前二号に掲げるもののほか、主要な争点の審理に知的財産に関する専門的な知見を要する事件  四 第一号若しくは第二号に掲げる訴訟事件又は前号に掲げる事件で訴訟事件であるものと口頭弁論を併合して審理されるべき訴訟事件 第三条 (知的財産高等裁判所に勤務する裁判官等) 1 最高裁判所は、知的財産高等裁判所に勤務する裁判官を定める。 2 最高裁判所は、知的財産高等裁判所に勤務する裁判官のうち一人に知的財産高等裁判所長を命ずる。 第四条 (知的財産高等裁判所の司法行政事務) 1 知的財産高等裁判所が知的財産高等裁判所における裁判事務の分配その他の司法行政事務を行うのは、知的財産高等裁判所に勤務する裁判官の会議の議によるものとし、知的財産高等裁判所長が、これを総括する。 2 前項の会議は、知的財産高等裁判所に勤務する全員の裁判官でこれを組織し、知的財産高等裁判所長が、その議長となる。  第五条 (知的財産高等裁判所事務局)  知的財産高等裁判所の庶務をつかさどらせるため、知的財産高等裁判所に知的財産高等裁判所事務局を置く。    附 則  この法律は、平成十七年四月一日から施行する。