# この原子力災害対策特別措置法の翻訳は平成18年法律第118号までの改正(平成19年1月9日施行)について「法令用語日英標準対訳辞書(平成19年3月版)に準拠して作成したものです。なお、この法令の翻訳は公定訳ではありません。法的効力を有するのは日本語の法令自体であり、翻訳はあくまでその理解を助けるための参考資料です。この翻訳の利用に伴って発生した問題について、一切の責任を負いかねますので、法律上の問題に関しては、官報に掲載された日本語の法令を参照してください。 原子力災害対策特別措置法(平成十一年十二月十七日法律第百五十六号)    第一章 総則(第一条―第六条)    第二章 原子力災害の予防に関する原子力事業者の義務等(第七条―第十四条)    第三章 原子力緊急事態宣言の発出及び原子力災害対策本部の設置等(第十五条―第二十四条)    第四章 緊急事態応急対策の実施等(第二十五条・第二十六条)    第五章 原子力災害事後対策(第二十七条)    第六章 雑則(第二十八条―第三十九条)    第七章 罰則(第四十条―第四十二条)   附則    第一章 総則 第一条(目的)  この法律は、原子力災害の特殊性にかんがみ、原子力災害の予防に関する原子力事業者の義務等、原子力緊急事態宣言の発出及び原子力災害対策本部の設置等並びに緊急事態応急対策の実施その他原子力災害に関する事項について特別の措置を定めることにより、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「規制法」という。)、災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)その他原子力災害の防止に関する法律と相まって、原子力災害に対する対策の強化を図り、もって原子力災害から国民の生命、身体及び財産を保護することを目的とする。 第二条(定義)  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。  一 原子力災害 原子力緊急事態により国民の生命、身体又は財産に生ずる被害をいう。  二 原子力緊急事態 原子力事業者の原子炉の運転等(原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号)第二条第一項に規定する原子炉の運転等をいう。以下同じ。)により放射性物質又は放射線が異常な水準で当該原子力事業者の原子力事業所外(原子力事業所の外における放射性物質の運搬(以下「事業所外運搬」という。)の場合にあっては、当該運搬に使用する容器外)へ放出された事態をいう。  三 原子力事業者 次に掲げる者(政令で定めるところにより、原子炉の運転等のための施設を長期間にわたって使用する予定がない者であると主務大臣が認めて指定した者を除く。)をいう。   イ 規制法第十三条第一項の規定に基づく加工の事業の許可(規制法第七十六条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者   ロ 規制法第二十三条第一項の規定に基づく原子炉の設置の許可(規制法第七十六条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含み、船舶に設置する原子炉についての許可を除く。)を受けた者   ハ 規制法第四十三条の四第一項の規定に基づく貯蔵の事業の許可(規制法第七十六条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者   ニ 規制法第四十四条第一項の規定に基づく再処理の事業の指定(規制法第七十六条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者   ホ 規制法第五十一条の二第一項の規定に基づく廃棄の事業の許可(規制法第七十六条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者   へ 規制法第五十二条第一項の規定に基づく核燃料物質の使用の許可(規制法第七十六条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者(規制法第五十六条の三第一項の規定により保安規定を定めなければならないこととされている者に限る。)  四 原子力事業所 原子力事業者が原子炉の運転等を行う工場又は事業所をいう。  五 緊急事態応急対策 第十五条第二項の規定による原子力緊急事態宣言があった時から同条第四項の規定による原子力緊急事態解除宣言があるまでの間において、原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の拡大の防止を図るため実施すべき応急の対策をいう。  六 原子力災害予防対策 原子力災害の発生を未然に防止するため実施すべき対策をいう。  七 原子力災害事後対策 第十五条第四項の規定による原子力緊急事態解除宣言があった時以後において、原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の拡大の防止又は原子力災害の復旧を図るため実施すべき対策(原子力事業者が原子力損害の賠償に関する法律の規定に基づき同法第二条第二項に規定する原子力損害を賠償することを除く。)をいう。  八 指定行政機関 災害対策基本法第二条第三号に規定する指定行政機関をいう。  九 指定地方行政機関 災害対策基本法第二条第四号に規定する指定地方行政機関をいう。  十 指定公共機関 災害対策基本法第二条第五号に規定する指定公共機関をいう。  十一 指定地方公共機関 災害対策基本法第二条第六号に規定する指定地方公共機関をいう。  十二 防災計画 災害対策基本法第二条第七号に規定する防災計画及び石油コンビナート等災害防止法(昭和五十年法律第八十四号)第三十一条第一項に規定する石油コンビナート等防災計画をいう。 第三条(原子力事業者の責務)  原子力事業者は、この法律又は関係法律の規定に基づき、原子力災害の発生の防止に関し万全の措置を講ずるとともに、原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の拡大の防止及び原子力災害の復旧に関し、誠意をもって必要な措置を講ずる責務を有する。 第四条(国の責務) 1 国は、この法律又は関係法律の規定に基づき、原子力災害対策本部の設置、地方公共団体への必要な指示その他緊急事態応急対策の実施のために必要な措置並びに原子力災害予防対策及び原子力災害事後対策の実施のために必要な措置を講ずること等により、原子力災害についての災害対策基本法第三条第一項の責務を遂行しなければならない。 2 指定行政機関の長(当該指定行政機関が委員会その他の合議制の機関である場合にあっては、当該指定行政機関。第十七条第六項第三号及び第二十条第三項を除き、以下同じ。)及び指定地方行政機関の長は、この法律の規定による地方公共団体の原子力災害予防対策、緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策の実施が円滑に行われるように、その所掌事務について、当該地方公共団体に対し、勧告し、助言し、その他適切な措置をとらなければならない。 3 主務大臣は、この法律の規定による権限を適切に行使するほか、この法律の規定による原子力事業者の原子力災害予防対策、緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策の実施が円滑に行われるように、当該原子力事業者に対し、指導し、助言し、その他適切な措置をとらなければならない。 第五条(地方公共団体の責務)  地方公共団体は、この法律又は関係法律の規定に基づき、原子力災害予防対策、緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策の実施のために必要な措置を講ずること等により、原子力災害についての災害対策基本法第四条第一項及び第五条第一項の責務を遂行しなければならない。 第六条(関係機関の連携協力)  国、地方公共団体、原子力事業者並びに指定公共機関及び指定地方公共機関は、原子力災害予防対策、緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策が円滑に実施されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。    第二章 原子力災害の予防に関する原子力事業者の義務等 第七条(原子力事業者防災業務計画) 1 原子力事業者は、その原子力事業所ごとに、主務省令で定めるところにより、当該原子力事業所における原子力災害予防対策、緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策その他の原子力災害の発生及び拡大を防止し、並びに原子力災害の復旧を図るために必要な業務に関し、原子力事業者防災業務計画を作成し、及び毎年原子力事業者防災業務計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない。この場合において、当該原子力事業者防災業務計画は、災害対策基本法第二条第十号に規定する地域防災計画及び石油コンビナート等災害防止法第三十一条第一項に規定する石油コンビナート等防災計画(次項において「地域防災計画等」という。)に抵触するものであってはならない。 2 原子力事業者は、前項の規定により原子力事業者防災業務計画を作成し、又は修正しようとするときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、当該原子力事業所の区域を管轄する都道府県知事(以下「所在都道府県知事」という。)、当該原子力事業所の区域を管轄する市町村長(以下「所在市町村長」という。)及び当該原子力事業所の区域をその区域に含む市町村に隣接する市町村を包括する都道府県の都道府県知事(所在都道府県知事を除く。以下「関係隣接都道府県知事」という。)に協議しなければならない。この場合において、所在都道府県知事及び関係隣接都道府県知事は、関係周辺市町村長(その区域につき当該原子力事業所に係る原子力災害に関する地域防災計画等(災害対策基本法第二条第十号イ又はハに掲げるものを除く。)が作成されていることその他の政令で定める要件に該当する市町村の市町村長(所在市町村長を除く。)をいう。以下同じ。)の意見を聴くものとする。 3 原子力事業者は、第一項の規定により原子力事業者防災業務計画を作成し、又は修正したときは、速やかにこれを主務大臣に届け出るとともに、その要旨を公表しなければならない。 4 主務大臣は、原子力事業者が第一項の規定に違反していると認めるとき、又は原子力事業者防災業務計画が当該原子力事業所に係る原子力災害の発生若しくは拡大を防止するために十分でないと認めるときは、原子力事業者に対し、原子力事業者防災業務計画の作成又は修正を命ずることができる。 第八条(原子力防災組織) 1 原子力事業者は、その原子力事業所ごとに、原子力防災組織を設置しなければならない。 2 原子力防災組織は、前条第一項の原子力事業者防災業務計画に従い、同項に規定する原子力災害の発生又は拡大を防止するために必要な業務を行う。 3 原子力事業者は、その原子力防災組織に、主務省令で定めるところにより、前項に規定する業務に従事する原子力防災要員を置かなければならない。 4 原子力事業者は、その原子力防災組織の原子力防災要員を置いたときは、主務省令で定めるところにより、その現況について、主務大臣、所在都道府県知事、所在市町村長及び関係隣接都道府県知事に届け出なければならない。この場合において、所在都道府県知事及び関係隣接都道府県知事は、関係周辺市町村長に当該届出に係る書類の写しを送付するものとする。 5 主務大臣は、原子力事業者が第一項又は第三項の規定に違反していると認めるときは、当該原子力事業者に対し、原子力防災組織の設置又は原子力防災要員の配置を命ずることができる。 第九条(原子力防災管理者) 1 原子力事業者は、その原子力事業所ごとに、原子力防災管理者を選任し、原子力防災組織を統括させなければならない。 2 原子力防災管理者は、当該原子力事業所においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない。 3 原子力事業者は、当該原子力事業所における原子力災害の発生又は拡大の防止に関する業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的地位にある者のうちから、副原子力防災管理者を選任し、原子力防災組織の統括について、原子力防災管理者を補佐させなければならない。 4 原子力事業者は、原子力防災管理者が当該原子力事業所内にいないときは、副原子力防災管理者に原子力防災組織を統括させなければならない。 5 原子力事業者は、第一項又は第三項の規定により原子力防災管理者又は副原子力防災管理者を選任したときは、主務省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を主務大臣、所在都道府県知事、所在市町村長及び関係隣接都道府県知事に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。 6 前条第四項後段の規定は、前項の届出について準用する。 7 主務大臣は、原子力事業者が第一項若しくは第三項の規定に違反していると認めるとき、又は原子力防災管理者若しくは副原子力防災管理者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定に違反したときは、原子力事業者に対し、原子力防災管理者又は副原子力防災管理者の選任又は解任を命ずることができる。 第十条(原子力防災管理者の通報義務等) 1 原子力防災管理者は、原子力事業所の区域の境界付近において政令で定める基準以上の放射線量が政令で定めるところにより検出されたことその他の政令で定める事象の発生について通報を受け、又は自ら発見したときは、直ちに、主務省令及び原子力事業者防災業務計画の定めるところにより、その旨を主務大臣、所在都道府県知事、所在市町村長及び関係隣接都道府県知事(事業所外運搬に係る事象の発生の場合にあっては、主務大臣並びに当該事象が発生した場所を管轄する都道府県知事及び市町村長)に通報しなければならない。この場合において、所在都道府県知事及び関係隣接都道府県知事は、関係周辺市町村長にその旨を通報するものとする。 2 前項前段の規定により通報を受けた都道府県知事又は市町村長は、政令で定めるところにより、主務大臣に対し、その事態の把握のため専門的知識を有する職員の派遣を要請することができる。この場合において、主務大臣は、適任と認める職員を派遣しなければならない。 第十一条(放射線測定設備その他の必要な資機材の整備等) 1 原子力事業者は、主務省令で定める基準に従って、その原子力事業所内に前条第一項前段の規定による通報を行うために必要な放射線測定設備を設置し、及び維持しなければならない。 2 原子力事業者は、その原子力防災組織に、当該原子力防災組織がその業務を行うために必要な放射線障害防護用器具、非常用通信機器その他の資材又は機材であって主務省令で定めるもの(以下「原子力防災資機材」という。)を備え付け、随時、これを保守点検しなければならない。 3 原子力事業者は、第一項の規定により放射線測定設備を設置し、又は前項の規定により原子力防災資機材を備え付けたときは、主務省令で定めるところにより、これらの現況について、主務大臣、所在都道府県知事、所在市町村長及び関係隣接都道府県知事に届け出なければならない。 4 第八条第四項後段の規定は、前項の届出について準用する。 5 原子力事業者は、第一項の規定により放射線測定設備を設置したときは、主務省令で定めるところにより、その性能について主務大臣が行う検査を受けなければならない。 6 主務大臣は、原子力事業者が第一項又は第二項の規定に違反していると認めるときは、当該原子力事業者に対し、放射線測定設備の設置、維持、若しくは改善又は原子力防災資機材の備え付け若しくは保守点検のために必要な措置を命ずることができる。 7 原子力事業者は、主務省令で定めるところにより、第一項の放射線測定設備により検出された放射線量の数値を記録し、及び公表しなければならない。 第十二条(緊急事態応急対策拠点施設の指定等) 1 主務大臣は、原子力事業所ごとに、第二十六条第二項に規定する者による緊急事態応急対策の拠点となる施設であって当該原子力事業所の区域をその区域に含む都道府県の区域内にあることその他主務省令で定める要件に該当するもの(以下「緊急事態応急対策拠点施設」という。)を指定するものとする。 2 主務大臣は、緊急事態応急対策拠点施設を指定し、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、所在都道府県知事、所在市町村長及び当該緊急事態応急対策拠点施設の所在地を管轄する市町村長(所在市町村長を除く。)並びに当該緊急事態応急対策拠点施設に係る原子力事業者の意見を聴かなければならない。 3 第一項の指定又は指定の変更は、官報に告示してしなければならない。 4 原子力事業者は、第一項の指定があった場合には、当該緊急事態応急対策拠点施設において第二十六条第二項に規定する者が当該原子力事業所に係る緊急事態応急対策を講ずるに際して必要となる資料として主務省令で定めるものを主務大臣に提出しなければならない。提出した資料の内容に変更があったときも、同様とする。 5 主務大臣は、前項の規定により提出された資料を当該緊急事態応急対策拠点施設に備え付けるものとする。 第十三条(防災訓練に関する国の計画) 1 第二十八条第一項の規定により読み替えて適用される災害対策基本法第四十八条第一項の防災訓練(同項に規定する災害予防責任者が防災計画又は原子力事業者防災業務計画の定めるところによりそれぞれ行うものを除く。)は、主務大臣が主務省令で定めるところにより作成する計画に基づいて行うものとする。 2 前項の規定により作成する計画は、防災訓練の実施のための事項であって次に掲げるものを含むものとする。  一 原子力緊急事態の想定に関すること。  二 第十条、第十五条及び第二十三条の規定の運用に関すること。  三 前二号に掲げるもののほか、原子力災害予防対策の実施を図るため必要な事項 第十四条(他の原子力事業所への協力)  原子力事業者は、他の原子力事業者の原子力事業所に係る緊急事態応急対策が必要である場合には、原子力防災要員の派遣、原子力防災資機材の貸与その他当該緊急事態応急対策の実施に必要な協力をするよう努めなければならない。    第三章 原子力緊急事態宣言の発出及び原子力災害対策本部の設置等 第十五条(原子力緊急事態宣言等) 1 主務大臣は、次のいずれかに該当する場合において、原子力緊急事態が発生したと認めるときは、直ちに、内閣総理大臣に対し、その状況に関する必要な情報の報告を行うとともに、次項の規定による公示及び第三項の規定による指示の案を提出しなければならない。  一 第十条第一項前段の規定により主務大臣が受けた通報に係る検出された放射線量又は政令で定める放射線測定設備及び測定方法により検出された放射線量が、異常な水準の放射線量の基準として政令で定めるもの以上である場合  二 前号に掲げるもののほか、原子力緊急事態の発生を示す事象として政令で定めるものが生じた場合 2 内閣総理大臣は、前項の規定による報告及び提出があったときは、直ちに、原子力緊急事態が発生した旨及び次に掲げる事項の公示(以下「原子力緊急事態宣言」という。)をするものとする。  一 緊急事態応急対策を実施すべき区域  二 原子力緊急事態の概要  三 前二号に掲げるもののほか、第一号に掲げる区域内の居住者、滞在者その他の者及び公私の団体(以下「居住者等」という。)に対し周知させるべき事項 3 内閣総理大臣は、第一項の規定による報告及び提出があったときは、直ちに、前項第一号に掲げる区域を管轄する市町村長及び都道府県知事に対し、第二十八条第二項の規定により読み替えて適用される災害対策基本法第六十条第一項及び第五項の規定による避難のための立退き又は屋内への退避の勧告又は指示を行うべきことその他の緊急事態応急対策に関する事項を指示するものとする。 4 内閣総理大臣は、原子力緊急事態宣言をした後、原子力災害の拡大の防止を図るための応急の対策を実施する必要がなくなったと認めるときは、速やかに、原子力安全委員会の意見を聴いて、原子力緊急事態の解除を行う旨の公示(以下「原子力緊急事態解除宣言」という。)をするものとする。 第十六条(原子力災害対策本部の設置) 1 内閣総理大臣は、原子力緊急事態宣言をしたときは、当該原子力緊急事態に係る緊急事態応急対策を推進するため、内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十条第二項の規定にかかわらず、閣議にかけて、臨時に内閣府に原子力災害対策本部を設置するものとする。 2 内閣総理大臣は、原子力災害対策本部を置いたときは当該原子力災害対策本部の名称並びに設置の場所及び期間を、当該原子力災害対策本部が廃止されたときはその旨を、直ちに、告示しなければならない。 第十七条(原子力災害対策本部の組織) 1 原子力災害対策本部の長は、原子力災害対策本部長とし、内閣総理大臣(内閣総理大臣に事故があるときは、そのあらかじめ指定する国務大臣)をもって充てる。 2 原子力災害対策本部長は、原子力災害対策本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。 3 原子力災害対策本部に、原子力災害対策副本部長、原子力災害対策本部員その他の職員を置く。 4 原子力災害対策副本部長は、主務大臣をもって充てる。 5 原子力災害対策副本部長は、原子力災害対策本部長を助け、原子力災害対策本部長に事故があるときは、その職務を代理する。原子力災害対策副本部長が二人以上置かれている場合にあっては、あらかじめ原子力災害対策本部長が定めた順序で、その職務を代理する。 6 原子力災害対策本部員は、次に掲げる者をもって充てる。  一 原子力災害対策本部長及び原子力災害対策副本部長以外の国務大臣のうちから、内閣総理大臣が任命する者  二 内閣危機管理監  三 副大臣又は国務大臣以外の指定行政機関の長のうちから、内閣総理大臣が任命する者 7 原子力災害対策副本部長及び原子力災害対策本部員以外の原子力災害対策本部の職員は、内閣官房若しくは指定行政機関の職員又は指定地方行政機関の長若しくはその職員のうちから、内閣総理大臣が任命する。 8 原子力災害対策本部に、緊急事態応急対策実施区域(第十五条第二項第一号に掲げる区域(第二十条第五項の規定により当該区域が変更された場合にあっては、当該変更後の区域)をいう。以下同じ。)において当該原子力災害対策本部長の定めるところにより当該原子力災害対策本部の事務の一部を行う組織として、原子力災害現地対策本部を置く。この場合においては、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百五十六条第四項の規定は、適用しない。 9 前条第二項の規定は、原子力災害現地対策本部について準用する。 10 前項において準用する前条第二項に規定する原子力災害現地対策本部の設置の場所は、当該原子力緊急事態に係る原子力事業所について第十二条第一項の規定により指定された緊急事態応急対策拠点施設(事業所外運搬に係る原子力緊急事態が発生した場合その他特別の事情がある場合にあっては、当該原子力緊急事態が発生した場所を勘案して原子力災害対策本部長が定める施設。第二十三条第四項において同じ。)とする。 11 原子力災害現地対策本部に、原子力災害現地対策本部長及び原子力災害現地対策本部員その他の職員を置く。 12 原子力災害現地対策本部長は、原子力災害対策本部長の命を受け、原子力災害現地対策本部の事務を掌理する。 13 原子力災害現地対策本部長及び原子力災害現地対策本部員その他の職員は、原子力災害対策副本部長、原子力災害対策本部員その他の職員のうちから、原子力災害対策本部長が指名する者をもって充てる。 第十八条(原子力災害対策本部の所掌事務)  原子力災害対策本部は、次に掲げる事務をつかさどる。  一 緊急事態応急対策実施区域において指定行政機関の長、指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関、指定地方公共機関及び原子力事業者の原子力防災組織が防災計画又は原子力事業者防災業務計画に基づいて実施する緊急事態応急対策の総合調整に関すること。  二 この法律の規定により原子力災害対策本部長の権限に属する事務  三 前二号に掲げるもののほか、法令の規定によりその権限に属する事務 第十九条(指定行政機関の長の権限の委任) 1 指定行政機関の長は、原子力災害対策本部が設置されたときは、緊急事態応急対策に必要な権限の全部又は一部を当該原子力災害対策本部の職員である当該指定行政機関の職員又は当該指定地方行政機関の長若しくはその職員に委任することができる。 2 指定行政機関の長は、前項の規定による委任をしたときは、直ちに、その旨を告示しなければならない。 第二十条(原子力災害対策本部長の権限) 1 原子力災害対策本部長は、前条の規定により権限を委任された職員の当該原子力災害対策本部の緊急事態応急対策実施区域における権限の行使について調整をすることができる。 2 原子力災害対策本部長は、当該原子力災害対策本部の緊急事態応急対策実施区域における緊急事態応急対策を的確かつ迅速に実施するため特に必要があると認めるときは、主務大臣に対し、規制法第六十四条第三項の規定により必要な命令をするよう指示することができる。 3 前項の規定によるもののほか、原子力災害対策本部長は、当該原子力災害対策本部の緊急事態応急対策実施区域における緊急事態応急対策を的確かつ迅速に実施するため特に必要があると認めるときは、その必要な限度において、関係指定行政機関の長及び関係指定地方行政機関の長並びに前条の規定により権限を委任された当該指定行政機関の職員及び当該指定地方行政機関の職員、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関並びに原子力事業者に対し、必要な指示をすることができる。 4 原子力災害対策本部長は、当該原子力災害対策本部の緊急事態応急対策実施区域における緊急事態応急対策を的確かつ迅速に実施するため、自衛隊の支援を求める必要があると認めるときは、防衛大臣に対し、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第八条に規定する部隊等の派遣を要請することができる。 5 原子力災害対策本部長は、原子力緊急事態の推移に応じ、原子力安全委員会の意見を聴いて、当該原子力災害対策本部に係る原子力緊急事態宣言において公示された第十五条第二項第一号及び第三号に掲げる事項について、公示することにより変更することができる。 6 原子力災害対策本部長は、当該原子力災害対策本部の緊急事態応急対策実施区域における緊急事態応急対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、原子力安全委員会に対し、緊急事態応急対策の実施に関する技術的事項について必要な助言を求めることができる。 7 原子力災害対策本部長は、前各項の規定による権限の全部又は一部を原子力災害対策副本部長に委任することができる。 8 原子力災害対策本部長は、第一項、第三項及び第六項の規定による権限(第三項の規定による関係指定行政機関の長に対する指示を除く。)の一部を原子力災害現地対策本部長に委任することができる。 9 原子力災害対策本部長は、前二項の規定による委任をしたときは、直ちに、その旨を告示しなければならない。 第二十一条(原子力災害対策本部の廃止)  原子力災害対策本部は、原子力緊急事態宣言に係る原子力緊急事態に関し、原子力緊急事態解除宣言があった時に、廃止されるものとする。 第二十二条(都道府県及び市町村の災害対策本部の必要的設置)  原子力緊急事態宣言があったときは、当該原子力緊急事態宣言に係る緊急事態応急対策実施区域を管轄する都道府県知事及び市町村長は、当該原子力緊急事態に関し災害対策基本法第二十三条第一項に規定する災害対策本部を設置するものとする。 第二十三条(原子力災害合同対策協議会) 1 原子力緊急事態宣言があったときは、原子力災害現地対策本部並びに当該原子力緊急事態宣言に係る緊急事態応急対策実施区域を管轄する都道府県及び市町村の災害対策本部は、当該原子力緊急事態に関する情報を交換し、それぞれが実施する緊急事態応急対策について相互に協力するため、原子力災害合同対策協議会を組織するものとする。 2 原子力災害合同対策協議会は、次に掲げる者をもって構成する。  一 原子力災害現地対策本部長及び原子力災害現地対策本部員その他の職員  二 都道府県の災害対策本部長又は当該都道府県の災害対策本部の災害対策副本部長、災害対策本部員その他の職員で当該都道府県の災害対策本部長から委任を受けた者  三 市町村の災害対策本部長又は当該市町村の災害対策本部の災害対策副本部長、災害対策本部員その他の職員で当該市町村の災害対策本部長から委任を受けた者 3 原子力災害合同対策協議会は、必要と認めるときは、協議して、前項に掲げるもののほか、指定公共機関、原子力事業者その他の原子力緊急事態応急対策の実施に責任を有する者を加えることができる。 4 原子力災害合同対策協議会の設置の場所は、緊急事態応急対策拠点施設とする。 第二十四条(災害対策基本法の適用除外)  原子力緊急事態宣言があった時から原子力緊急事態解除宣言があるまでの間においては、当該原子力緊急事態宣言に係る原子力緊急事態については、災害対策基本法第二章第三節及び第百七条の規定は、適用しない。    第四章 緊急事態応急対策の実施等 第二十五条(原子力事業者の応急措置) 1 原子力防災管理者は、その原子力事業所において第十条第一項の政令で定める事象が発生したときは、直ちに、原子力事業者防災業務計画の定めるところにより、当該原子力事業所の原子力防災組織に原子力災害の発生又は拡大の防止のために必要な応急措置を行わせなければならない。 2 前項の場合において、原子力事業者は、同項の規定による措置の概要について、原子力事業者防災業務計画の定めるところにより、主務大臣、所在都道府県知事、所在市町村長及び関係隣接都道府県知事(事業所外運搬に係る事象の発生の場合にあっては、主務大臣並びに当該事象が発生した場所を管轄する都道府県知事及び市町村長)に報告しなければならない。この場合において、所在都道府県知事及び関係隣接都道府県知事は、関係周辺市町村長に当該報告の内容を通知するものとする。 第二十六条(緊急事態応急対策及びその実施責任) 1 緊急事態応急対策は、次の事項について行うものとする。  一 原子力緊急事態宣言その他原子力災害に関する情報の伝達及び避難の勧告又は指示に関する事項  二 放射線量の測定その他原子力災害に関する情報の収集に関する事項  三 被災者の救難、救助その他保護に関する事項  四 施設及び設備の整備及び点検並びに応急の復旧に関する事項  五 犯罪の予防、交通の規制その他当該原子力災害を受けた地域における社会秩序の維持に関する事項  六 緊急輸送の確保に関する事項  七 食糧、医薬品その他の物資の確保、居住者等の被ばく放射線量の測定、放射性物質による汚染の除去その他の応急措置の実施に関する事項  八 前各号に掲げるもののほか、原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の拡大の防止を図るための措置に関する事項 2 原子力緊急事態宣言があった時から原子力緊急事態解除宣言があるまでの間においては、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関、原子力事業者その他法令の規定により緊急事態応急対策の実施の責任を有する者は、法令、防災計画又は原子力事業者防災業務計画の定めるところにより、緊急事態応急対策を実施しなければならない。 3 原子力事業者は、法令、防災計画又は原子力事業者防災業務計画の定めるところにより、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長並びに地方公共団体の長その他の執行機関の実施する緊急事態応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため、原子力防災要員の派遣、原子力防災資機材の貸与その他必要な措置を講じなければならない。    第五章 原子力災害事後対策 第二十七条(原子力災害事後対策及びその実施責任) 1 原子力災害事後対策は、次の事項について行うものとする。  一 緊急事態応急対策実施区域その他所要の区域(第三号において「緊急事態応急対策実施区域等」という。)における放射性物質の濃度若しくは密度又は放射線量に関する調査  二 居住者等に対する健康診断及び心身の健康に関する相談の実施その他医療に関する措置  三 放射性物質による汚染の有無又はその状況が明らかになっていないことに起因する商品の販売等の不振を防止するための、緊急事態応急対策実施区域等における放射性物質の発散の状況に関する広報  四 前三号に掲げるもののほか、原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の拡大の防止又は原子力災害の復旧を図るための措置に関する事項 2 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関、原子力事業者その他法令の規定により原子力災害事後対策に責任を有する者は、法令、防災計画又は原子力事業者防災業務計画の定めるところにより、原子力災害事後対策を実施しなければならない。 3 原子力事業者は、法令、防災計画又は原子力事業者防災業務計画の定めるところにより、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長並びに地方公共団体の長その他の執行機関の実施する原子力災害事後対策が的確かつ円滑に行われるようにするため、原子力防災要員の派遣、原子力防災資機材の貸与その他必要な措置を講じなければならない。    第六章 雑則 第二十八条(災害対策基本法の規定の読替え適用等) 1 原子力災害についての災害対策基本法の次の表の上欄に掲げる規定(石油コンビナート等災害防止法第三十二条第二項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。 │読み替える規定│読み替えられる字句│読み替える字句│ │第二条第二号│災害を│原子力災害(原子力災害対策特別措置法第二条第一号に規定する原子力災害をいう。以下同じ。)を│ ││災害が│原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)が│ ││被害│被害(被害が生ずる蓋然性を含む。)│ ││災害の│原子力災害の│ │第二十一条│並びにその他の関係者│、原子力事業者(原子力災害対策特別措置法第二条第三号に規定する原子力事業者をいう。以下同じ。)並びにその他の関係者│ ││資料│又は主務大臣を通じ原子力安全委員会に対し、資料│ │第三十四条第一項│災害及び災害│原子力災害及び原子力災害│ ││災害の状況│原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の状況│ ││災害応急対策│緊急事態応急対策│ │第四十条第二項第二号及び第四十二条第二項第二号│災害予防│原子力災害予防対策│ ││災害に関する予報又は警報の発令及び伝達│原子力緊急事態宣言その他原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)に関する情報の伝達│ ││消火、水防、救難│救難│ ││災害応急対策並びに災害復旧│緊急事態応急対策並びに原子力災害事後対策│ │第四十六条第一項│災害予防│原子力災害予防対策│ ││災害の│原子力災害の│ ││災害が発生した場合における災害応急対策│緊急事態応急対策│ │第四十六条第二項│災害予防│原子力災害予防対策│ │第四十七条第一項│災害を予測し、予報し、又は災害│原子力災害│ │第四十八条第一項│災害予防責任者│災害予防責任者(原子力事業者を含む。)│ ││防災計画│防災計画若しくは原子力事業者防災業務計画(原子力災害対策特別措置法第七条第一項の規定による原子力事業者防災業務計画をいう。第三項において同じ。)│ │第四十八条第三項│災害予防責任者│災害予防責任者(原子力事業者を含む。)│ ││防災計画及び│防災計画及び原子力事業者防災業務計画並びに│ │第四十八条第四項│災害予防責任者│災害予防責任者(原子力事業者を含む。)│ │第四十九条│災害応急対策又は災害復旧│緊急事態応急対策又は原子力災害事後対策│ │第五十一条│災害に│原子力災害に│ │第五十二条第一項│災害に関する警報の発令及び伝達、警告│原子力緊急事態宣言の伝達│ │第五十三条第一項から第四項まで│災害│原子力災害│ │第五十三条第五項│災害が│原子力災害が│ │第五十五条│法令の規定により、気象庁その他の国の機関から災害に関する予報若しくは警報の通知を受けたとき、又は自ら災害に関する警報をしたときは、法令又は│原子力災害対策特別措置法第十五条第三項又は第二十条第三項の規定による指示を受けたときは、│ ││予想される災害の事態及びこれに対してとるべき措置│当該指示に係る措置│ │第五十六条│法令の規定により災害に関する予報若しくは警報の通知を受けたとき、自ら災害に関する予報若しくは警報を知つたとき、法令の規定により自ら災害に関する警報をしたとき│原子力災害対策特別措置法第十五条第三項若しくは第二十条第三項の規定による指示を受けたとき│ ││予報若しくは警報│指示│ ││予想される災害│原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)│ │第六十七条第一項、第六十八条第一項、第六十八条の二第一項及び第二項並びに第六十九条│災害│原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)│ │第七十一条第一項│災害が│原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)が│ ││第五十条第一項第四号から第九号まで│原子力災害対策特別措置法第二十六条第一項第二号から第八号まで│ │第七十三条第一項│災害が発生した場合において、当該災害│原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。この項において同じ。)が発生した場合において、当該原子力災害│ │第七十四条第一項及び第七十五条│災害│原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)│ │第七十八条第一項│災害│原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)│ ││第五十条第一項第四号から第九号まで│原子力災害対策特別措置法第二十六条第一項第四号から第八号まで│ │第七十九条│災害│原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)│ │第八十四条第一項│災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官│原子力災害派遣等を命ぜられた部隊等の自衛官│ │第八十六条第一項及び第二項│災害│原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)│ │第八十八条第一項│災害復旧事業に│原子力災害事後対策に│ ││災害復旧事業費│原子力災害事後対策に要する経費│ │第八十九条│災害復旧事業費│原子力災害事後対策に要する経費│ ││災害復旧事業の│原子力災害事後対策の│ │第九十条│災害復旧事業│原子力災害事後対策│ │第九十一条│災害予防及び災害応急対策│原子力災害予防対策及び緊急事態応急対策│ │第九十四条│災害応急対策│緊急事態応急対策│ │第九十五条│第二十八条第二項の規定による非常災害対策本部長の指示又は第二十八条の六第二項の規定による緊急災害対策本部長の指示│原子力災害対策特別措置法第十五条第三項の規定に基づく内閣総理大臣の指示又は同法第二十条第三項の規定に基づく原子力災害対策本部長の指示│ │第九十六条│災害復旧事業その他災害に関連して行なわれる事業│原子力災害事後対策│ │第百条第一項│災害│原子力災害│ │第百二条第一項│災害の│原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の│ │第百二条第一項第二号│災害予防、災害応急対策又は災害復旧│原子力災害予防対策、緊急事態応急対策又は原子力災害事後対策│ │第百四条│災害│原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)│ │第百十三条│第七十一条第一項│第七十一条第一項(原子力災害対策特別措置法第二十八条第一項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)│ ││同条第二項│第七十一条第二項│ ││第七十八条第一項│第七十八条第一項(原子力災害対策特別措置法第二十八条第一項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)│ │第百十五条│を含む。以下│及び原子力災害対策特別措置法第二十八条第一項の規定により読み替えて適用される場合を含む。以下│ │第百十六条│第五十二条第一項│第五十二条第一項(原子力災害対策特別措置法第二十八条第一項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)│ ││第七十三条第一項│第七十三条第一項(原子力災害対策特別措置法第二十八条第一項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)│ 2 原子力緊急事態宣言があった時から原子力緊急事態解除宣言があるまでの間における災害対策基本法の次の表の上欄に掲げる規定(石油コンビナート等災害防止法第三十二条第二項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。 │読み替える規定│読み替えられる字句│読み替える字句│ │第二十三条第四項│災害予防及び災害応急対策│原子力災害予防対策(原子力災害対策特別措置法第二条第六号に規定する原子力災害予防対策をいう。以下同じ。)及び緊急事態応急対策│ │第二十三条第六項│災害予防又は災害応急対策│原子力災害予防対策又は緊急事態応急対策│ │第五十八条│災害が発生するおそれがあるとき│原子力緊急事態宣言があつたとき│ ││消防機関若しくは水防団│消防機関│ │第六十条第一項│災害が発生し、又は発生するおそれがある場合│原子力緊急事態宣言があつた時から原子力緊急事態解除宣言があるまでの間│ ││災害から│原子力災害から│ ││災害の│原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の│ ││立退き│立退き又は屋内への退避│ │第六十条第二項│立退きを│立退き又は屋内への退避を│ ││立退き先│立退き先又は退避先│ │第六十条第三項│立退きを│立退き若しくは屋内への退避を│ ││立退き先│立退き先若しくは退避先│ ││都道府県知事│原子力災害対策本部長及び都道府県知事│ │第六十条第五項│災害が発生した場合において、当該災害│原子力緊急事態宣言があつた場合において、当該原子力緊急事態宣言に係る原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)│ │第六十条第六項│公示│公示するとともに、速やかに原子力災害対策本部長に報告│ │第六十一条第一項及び第二項│立退き│立退き又は屋内への退避│ │第六十二条第一項│災害が発生し、又はまさに発生しようとしているとき│原子力緊急事態宣言があつた時から原子力緊急事態解除宣言があるまでの間において│ ││消防、水防、救助その他災害の発生を防禦し、又は災害│消防、救助その他原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)│ │第六十二条第二項│災害が発生し、又はまさに発生しようとしているとき│原子力緊急事態宣言があつた時から原子力緊急事態解除宣言があるまでの間において│ │第六十三条第一項│災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合│原子力緊急事態宣言があつた時から原子力緊急事態解除宣言があるまでの間│ ││災害応急対策│緊急事態応急対策│ │第六十三条第三項│第八十三条第二項│第八十三条第二項又は第八十三条の三│ ││災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官│原子力災害派遣等を命ぜられた部隊等の自衛官│ │第六十四条第一項│災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合│原子力緊急事態宣言があつた時から原子力緊急事態解除宣言があるまでの間│ │第六十四条第二項│災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合│原子力緊急事態宣言があつた時から原子力緊急事態解除宣言があるまでの間│ ││災害を│原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)を│ │第六十四条第八項及び第九項│災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官│原子力災害派遣等を命ぜられた部隊等の自衛官│ │第六十五条第一項│災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合│原子力緊急事態宣言があつた時から原子力緊急事態解除宣言があるまでの間│ ││認めるときは│認めるときは、原子力災害を拡大させる結果となるおそれがない場合に限り│ │第六十五条第三項│災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官│原子力災害派遣等を命ぜられた部隊等の自衛官│ │第七十条第一項及び第二項│災害が発生し、又はまさに発生しようとしているとき│原子力緊急事態宣言があつた時から原子力緊急事態解除宣言があるまでの間において│ │第七十六条第一項│災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合│原子力緊急事態宣言があつた時から原子力緊急事態解除宣言があるまでの間│ ││災害応急対策│緊急事態応急対策│ │第七十六条の三第一項│災害応急対策│緊急事態応急対策│ │第七十六条の三第三項│災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官│原子力災害派遣等を命ぜられた部隊等の自衛官│ ││災害応急対策│緊急事態応急対策│ │第七十六条の三第四項│災害応急対策│緊急事態応急対策│ │第七十六条の三第六項│災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官│原子力災害派遣等を命ぜられた部隊等の自衛官│ │第七十六条の四│災害応急対策│緊急事態応急対策│ │第七十七条第一項及び第八十条第一項│災害が発生し、又はまさに発生しようとしているとき│原子力緊急事態宣言があつた時から原子力緊急事態解除宣言があるまでの間において│ │第百十四条│第七十六条第一項│第七十六条第一項(原子力災害対策特別措置法第二十八条第二項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)│ │第百十六条│第六十三条第一項│第六十三条第一項(原子力災害対策特別措置法第二十八条第二項の規定により読み替えて適用される場合を含む。以下この号において同じ。)│ ││同条第三項│同条第三項(原子力災害対策特別措置法第二十八条第二項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)│ ││同条第一項│第六十三条第一項│ ││災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官│原子力災害派遣等を命ぜられた部隊等の自衛官│ 3 原子力緊急事態宣言があった時以後における災害対策基本法の次の表の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。 │読み替える規定│読み替えられる字句│読み替える字句│ │第十四条第二項第二号│災害が発生した場合において、当該災害│原子力緊急事態宣言(原子力災害対策特別措置法第十五条第二項の規定による原子力緊急事態宣言をいう。以下同じ。)があつた場合において、当該原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)│ │第十四条第二項第三号│災害が発生した場合において、当該災害に係る災害応急対策及び災害復旧│原子力緊急事態宣言があつた場合において、当該原子力緊急事態宣言に係る緊急事態応急対策(原子力災害対策特別措置法第二条第五号に規定する緊急事態応急対策をいう。以下同じ。)及び原子力災害事後対策(同条第七号に規定する原子力災害事後対策をいう。以下同じ。)│ │第二十九条第一項│災害応急対策又は災害復旧│緊急事態応急対策又は原子力災害事後対策│ │第二十九条第二項│災害応急対策又は災害復旧│緊急事態応急対策又は原子力災害事後対策│ ││指定地方行政機関の長│指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長│ ││指定地方行政機関の職員│指定行政機関又は指定地方行政機関の職員│ │第三十条第一項及び第二項、第三十二条第一項並びに第三十三条│災害応急対策又は災害復旧│緊急事態応急対策又は原子力災害事後対策│ │第百九条第一項第二号│災害応急対策若しくは災害復旧│緊急事態応急対策若しくは原子力災害事後対策│ 4 原子力災害については、災害対策基本法第八十七条及び第八十八条第二項の規定は、適用しない。 5 原子力緊急事態宣言があった時から原子力緊急事態解除宣言があるまでの間においては、当該原子力緊急事態宣言に係る原子力緊急事態に関しては、災害対策基本法第五十条、第五十四条、第五十九条及び第六十六条の規定は、適用しない。 6 緊急事態応急対策又は原子力災害事後対策を実施する地方公共団体の長は、第二項の規定により読み替えて適用される災害対策基本法第二十九条第一項若しくは第二項又は第三十条第一項の規定によるもののほか、指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長に対し、放射線による人体の障害の予防、診断及び治療に関する助言その他の緊急事態応急対策又は原子力災害事後対策を実施するために必要な援助を求めることができる。 第二十九条(原子力災害に関する研究の推進等)  国は、原子力の安全の確保、原子力災害の発生の防止及び放射線障害の防止に関する科学的な研究及び開発を推進するとともに、その成果の普及に努めなければならない。 第三十条(原子力防災専門官) 1 文部科学省及び経済産業省に、原子力防災専門官を置く。 2 原子力防災専門官は、その担当すべき原子力事業所として文部科学大臣又は経済産業大臣が指定した原子力事業所について、第七条第一項に規定する原子力事業者防災業務計画の作成及び第八条第一項に規定する原子力防災組織の設置その他原子力事業者が実施する原子力災害予防対策に関する指導及び助言を行うほか、第十条第一項前段の規定による通報があった場合には、その状況の把握のため必要な情報の収集、地方公共団体が行う情報の収集及び応急措置に関する助言その他原子力災害の発生又は拡大の防止の円滑な実施に必要な業務を行うものとする。 第三十一条(報告の徴収)  主務大臣、所在都道府県知事、所在市町村長又は関係隣接都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、原子力事業者に対し、政令で定めるところにより、その業務に関し報告をさせることができる。 第三十二条(立入検査) 1 主務大臣、所在都道府県知事、所在市町村長又は関係隣接都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、原子力事業所に立ち入り、当該原子力事業所に係る原子力事業者の施設、帳簿、書類その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。 2 前項の規定により職員が原子力事業所に立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。 3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。 第三十三条(手数料)  第十一条第五項の規定による検査を受けようとする者は、政令で定めるところにより、手数料を納めなければならない。 第三十四条(主務大臣等) 1 この法律(第十条、第十五条第一項、第十七条第四項、第二十条第二項、第二十五条第二項、第三十一条、第三十二条及び第三十七条を除く。)における主務大臣は、次の各号に掲げる事項の区分に応じ、当該各号に定める大臣とする。  一 第二条第三号イ、ハ、ニ及びホに掲げる者並びに同号ロに掲げる者のうち規制法第二十三条第一項第一号及び第四号に掲げる原子炉の設置の許可を受けた者並びにこれらの者の原子力事業所に関する事項 経済産業大臣  二 第二条第三号ロに掲げる者のうち規制法第二十三条第一項第三号及び第五号に掲げる原子炉の設置の許可を受けた者並びに第二条第三号ヘに掲げる者並びにこれらの者の原子力事業所に関する事項 文部科学大臣 2 第十条、第十五条第一項、第十七条第四項、第二十条第二項及び第二十五条第二項の規定における主務大臣は、次の各号に掲げる事象の区分に応じ、当該各号に定める大臣とする。  一 前項第一号に規定する原子力事業者の原子炉の運転等に起因する原子力緊急事態その他の事象 経済産業大臣(事業所外運搬に起因する事象については、経済産業大臣及び国土交通大臣)  二 前項第二号に規定する原子力事業者の原子炉の運転等に起因する原子力緊急事態その他の事象 文部科学大臣(事業所外運搬に起因する事象については、文部科学大臣及び国土交通大臣) 3 第三十一条、第三十二条及び第三十七条の規定における主務大臣は、文部科学大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣とする。 4 この法律における主務省令は、第一項各号(第十条第一項の規定に基づくものについては、第二項各号)に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める主務大臣の発する命令とする。 第三十五条  削除 第三十六条(特別区についてのこの法律の適用)  この法律の適用については、特別区は、市とみなす。 第三十七条(原子力安全委員会の意見)  主務大臣は、第十条第一項及び第十五条第一項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、あらかじめ原子力安全委員会の意見を聴かなければならない。 第三十八条(政令への委任)  この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。 第三十九条(国に対する適用除外)  第三十三条及び次章の規定は、国に適用しない。    第七章 罰則 第四十条  第七条第四項、第八条第五項、第九条第七項又は第十一条第六項の規定による命令に違反した者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第四十一条  次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。  一 第七条第三項、第八条第四項前段、第九条第五項又は第十一条第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者  二 第十条第一項前段の規定に違反して通報しなかった者  三 第十一条第七項の規定に違反して放射線量の測定結果を記録せず、又は虚偽の記録をした者  四 第十二条第四項の規定に違反して資料を提出しなかった者  五 第三十一条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者  六 第三十二条第一項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者 第四十二条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。